3月にあった第10回関東近県スーパーサイエンスハイスクール(SSH)発表会で、課外研究で宇宙塵(じん)を研究した成果を発表したのは、埼玉・川越女子高校の有馬銀河(きらら)さんと上原梨花子さん(共に現3年)。
 
 宇宙塵とは、宇宙空間に存在する直径1ミリ以下の固体微粒子のこと。小惑星同士の衝突などによってできると考えられており、地球上には毎日最大10トンもの膨大な量が降っているという。2人は先行研究を学んだ上で、大学の試料や装置を使わせてもらい、実験した。

 

分析したのは水深約5800メートルの海底から採取された堆積物。ニッケルを含む粒子は宇宙から来た可能性が高いため、まずは堆積物をふるいにかけ、磁性成分のあるものを分離した。さらに、その中から宇宙塵の特徴とされる、丸い形の粒子をピックアップ。そのうち3個の元素濃度を分析したところ、全てにニッケルが含まれていた。また、粒子のサイズなどを測定した結果も宇宙塵の特徴を表していた。
 
 「文献で学んだことと分析結果が合致してうれしい。探し求めてきた宇宙塵を目の前で見つけられました」と2人は話す。今後は採集した宇宙塵が、地球からどのくらい離れた場所で生じたものかなども調べ、起源をさらに探っていく考えだ。

(文・平野さゆみ、写真・幡原裕治)