大垣北高校(岐阜)では、1、2年生合わせて642人全員と3年生の希望者が「国際開発」「国際ビジネス」「環境エネルギー」「国際医療」「比較教育」の5分野から、それぞれの関心に合わせた研究を進めている。比較教育を選択した津田佳歩さん(3年)は「カンボジアの都市部と農村部における教育格差の研究」と題した論文を3月、英語で発表。校内優秀生徒の一人として表彰された。
「折り鶴」通して交流
カンボジアの教育に関心を持つようになったきっかけは、SGHの授業で名古屋大学国際開発研究科の助教の話を聴いたことだ。「世界には日本とは全く異なる教育環境に置かれた子どもがいると知り、もっと深く調べたくなった」と、その後も同大学との交流会や研究室訪問などに参加した。
定員約30人の海外フィールドワークには、1・2年次とも手を挙げ、ベトナムとカンボジアを訪問。昨年は約1週間、現地の日系企業やカンボジアのシソワット高校などを訪れた。
特に印象に残っているのは、地方のコミュニティラーニングセンターで出会った子どもたちのこと。家庭の事情や自宅からのアクセスの問題などが理由で学校に通えない子どもたちに、折り紙を教えるなどして交流した。「農村部の子どもたちの複雑な事情を垣間見ると同時に、まっすぐでキラキラした表情に感動した。問題解決に向けて貢献できるよう、今後も教育の研究を続けたい」と語る。(新海美保)
■2014年度からSGH指定。「アジアを学び世界をつなぐ1600人のリーダー育成」を目指し、1、2年生全員が課題研究に取り組む。