私は今年の夏休みに、オーストラリアにある公立の中高一貫校に10日間通いました。学校生活は、日本で過ごしている日常とは大きく異なるものでした。(高校生記者・ぼたん=1年)

ピアスやネイルが自由

オーストラリアでの学校生活が始まってまず驚いたのは、生徒の自由さです。制服以外の服装やピアス、ネイル、ヘアカラーまで許可されていて、生徒が思い思いのおしゃれを楽しんでいました。校則がないわけではなく、自由な分だけ行動を決めるのは生徒自身の責任だそうです。

学校の中庭。すべての建物が1階建てでとても広い

音楽の授業は各自で練習

特に印象的だったのは音楽と体育の授業です。音楽の授業は、複数ある音楽室に生徒が分かれて入り、各自で練習する形式でした。60分の授業の中で先生が来たのはわずか2回で、とても驚きました。

お昼に注文したギョーザとチップス。おいしかった

日本の音楽の授業では音符の学習や音楽鑑賞をしたり、同じ楽器で同じ曲を演奏したりします。しかしオーストラリアの学校では、フルートからエレキギターまで、練習している楽器やジャンルが生徒によって異なりました。弾き語りをする生徒もいて、笑顔で演奏や友達の曲を聴き合う姿は、とてもワクワクする授業だと感じました。

体育は男女一緒に楽しむ

体育の授業では、バスケットボールとハンドボールを合わせたようなスポーツをしました。男女混合チームで声を掛け合いながらパスを回し、とても盛り上がりました。私の学校の体育は男女別で、授業外も男女間の距離が遠くなりがちです。そのため、授業中も休み時間も性別に関係なくフラットに会話している姿には感心しました。

学校から見えた虹。その場にいたみんなで見た

好きを堂々と表現する姿勢

オーストラリアの生徒は、みんな好きなことを堂々と表現していて、友達の好きなものをからかう人はいませんでした。好きなことを認め合い、伸ばしていける雰囲気に満ちた学校は素晴らしいと感じました。

私は自分が好きなことを、胸を張って人に伝えるのが苦手です。しかし、充実した10日間で勇気をもらい、「私も好きなことを大切にしよう」と思えました。これからは、オーストラリアの生徒たちのように、自分自身と友達が持つ「好きなこと」を認め合える関係を大事にしたいです。

ぼたん 東京都在住。邦楽部、生物部所属。趣味は読書と音楽。J-POPや洋楽、ボカロ曲をよく聴く。お気に入りの本は『成瀬は天下を取りに行く』。