私は2月から手帳制作会社の社員のかたと一緒に、中高生が使いやすい手帳を開発するプロジェクトに参加しました。全国の中高生や教師、デザイナーとZoom会議を重ね、完成するまでを紹介します。(高校生記者・しまりす=2年)
自己否定しない手帳目指して
私が挑戦したのは、手帳の開発などを手掛ける会社feppinessによる「pure life diary」という大人向け手帳を、中高生が使いやすい形に改良するプロジェクトです。

有志の中高生約15人と中学校の先生2~3人とデザイナーが今年2月から8月まで毎週集まり、Zoomで話し合いました。一般的に手帳は時間やToDoの管理に使われますが、完璧主義や真面目な性格の人ほど、うまくいかなかった日を振り返って自己否定に陥る場合があります。今回は「To Be」、つまり「ありたい自分」に気持ちを向けるのを大切にしながら制作を進めました。
自己分析できるページを考えた
私はどんなページを入れたいか、自己分析のための質問を考えてアイデアを練ったり、ページのラフを描いたりしました。
会議を重ねた結果、「なりたい自分」に近づくため、どんな行動をしたかを毎月振り返るページを設けることになりました。毎月目標を書き、目標達成のために自分がした行動、効果のあった行動など書き込みます。さらに、身近な人のすてきな行動を書き留める欄を設け、周囲へ気を配る意識も高められるようにしました。自分の価値観を考える問いかけのページもあります。

手帳はToDo管理だけじゃない
「To Be」という考え方は私にとって新鮮でした。手帳を使う目的は、予定や課題などのTo Doやスケジュール管理だと思っていたからです。
手帳を使い始めて7年目、やることしか書いていなくて「なんだかたんぱくだな……」と感じていました。気持ちも記録するようになってからは、「何をしたか」だけでなく「何を感じたか」も意識できるようになり、感情を言葉にする力が少しずつ身についてきました。

日付フリーで使いやすく
手帳は通常1年間分ですが、あえて3カ月分です。日付を自分で書き込む方式なので、好きな時に気軽に使えます。8月末からオンライン販売を開始しています(「TO BE手帳for teens」税込1980円)。自分の気持ちと向き合いたい人に、ぜひ手に取ってみてほしいです。
- しまりす 茨城県在住。弦楽部のチェロパート所属。特技は目分量での料理。音楽と鉄道のオタク。鉄道路線図とTHE RAMPAGE from EXILE TRIBEに心躍る毎日。