100円ショップの代表格ともいえるダイソー。近年は海外に1000店舗以上を展開するなど、市場を広げている。「ダイソー」を運営する大創産業で採用を担当する岡島凪沙さんに、海外展開に力を入れる理由や、求める人材像を聞いた。(聞き手・尹雨欣、江間衣里佳=高校生記者、構成・黒澤真紀、写真・椎木里咲)

良い商品を「素早く安く」提供

―製造小売業界の特徴と社会に与えている影響を教えてください。

製造小売業界は、安くて質の良い商品を人々に素早く届け、暮らしを便利にし、生活の選択肢を広げています。大創産業ではバイヤーが企画し、グループ内で製造を担う子会社や仕入先さまが生産し、店舗で販売まで行います。

店舗数のスケールメリットによる大量仕入れ・大量生産により、低価格で提供できます。店舗で得たお客さまの声を直接バイヤーに伝え、改善に反映しやすいのも弊社の特徴です。

岡島凪沙さん(グローバル人事総務法務本部 グローバル人事部 グローバル採用課所属)

「伸びしろ」求めて海外出店

―現在「ダイソー」は日本を含む世界26カ国・地域に出店しています。海外展開に力を入れる理由や、今後の展開を教えてください。

海外を「これからの成長の場」と考えているからです。海外ではまだまだ市場の伸びしろが大きいためです。海外には人口や経済が伸びている国や地域が多く、新しいお客さんや需要が期待できます。今後は、新しい地域への出店だけでなく、出店が難しく利益を出しにくい地域への対応も工夫しながら、2030年までにアメリカ国内の店舗数を1,000店舗に拡大したいと考えています。

世界26カ国・地域に展開している(大創産業提供)

毎月1300アイテムが登場

―大創産業にはどんな職種がありますか?

皆さんに一番近いところだと、「ダイソー」を運営し販売を担う店舗運営本部があります。またその中には店舗を支えるために出店場所を決める開発営業の部署や、エアコンや冷蔵庫などの設備を管理する施設管理といった部署があります。

想像しやすい部署だと、新商品の企画・開発を担う「商品本部」です。バイヤーが企画する場合もあれば、仕入先さまからの提案いただく場合もあり、毎月約1,300アイテムが登場します。各部署がスピード感を持って業務を進め、商品を製造から販売までつなげています。

「ダイソー」はアルバイトやパートの方もたくさん働いています。その方たちの給与や労務、安全管理を担当するのは総務や人事部です。レジなどの電子機器を管理する情報システム部や、海外店舗を運営する海外運営部という部署もあります。

挑戦し続ける姿勢が必要

―求める人材像について教えてください。

求める人材像は三つ。一つ目は、「自分で考えて行動できる人」です。1年目で店長になる人もいるので、自分の店舗の意思決定を受け身ではなく能動的に行う力が必要です。

二つ目は、「周りを巻き込みながら物事を進められる人」です。店長一人で店舗は回らず、スタッフさんの協力があってこそ運営できるため、チームで成果を出す力を重視します。

三つ目は、徹底したお客さま目線でニーズに応え、感動と豊かさを提供し続ける「商売人魂」を持つ人です。現状に満足せず、挑戦し続けられる姿勢を求めています。

株式会社大創産業

 

1977年設立。本社は広島県東広島市。従業員は正社員745人、臨時従業員は約2万4750人(2025年2月末時点)。国内4625店舗(DAISOブランド・3893、Standard Products・172、THREEPPY・560)と海外1045店舗を展開。連結売上高は約7242億円(2025年2月末期)。日用品を中心に低価格・高品質の商品を提供。100円ショップのパイオニアとして、国内外で暮らしを便利にする商品を届け続けている。