auブランドで知らない人はいない、通信業大手のKDDI。どんな力を持った人たちが活躍しているのでしょうか。人事を担当する中島ななみさんに、通信の仕事内容や採用で求める人材などを聞きました。(黒澤真紀)

人生を豊かにする付加価値を提供

―スマホやインターネットがないと生活ができないほど、通信の仕事は重要な役割を担っていますね。どんな特徴がある業界だと言えますか?

通信は重要な社会インフラの一つです。電気やガスなどのインフラとはまた違って、人生を豊かにする付加価値を加えて提供できるのが特徴です。人の生活、人生に直接影響を与え、世の中の変化に応じて進化し続けています。

KDDIでは「つなぐ」ことを軸に事業を展開しています。スマートフォンなどの通信サービスを支えるのはもちろん、災害時には緊急連絡手段を守る役割もあります。

中島ななみさん(コーポレート統括本部人事本部所属、写真・KDDI提供)

デジタル技術で社会や仕事のやり方を変える動きであるDX(デジタルトランスフォーメーション)や、文章や画像を自動で生み出す人工知能である生成AIのように、技術が日々進化しています。スマートフォンやインターネットなど、暮らしに欠かせないサービスを支えながら、新しいチャレンジが次々に求められる分野です。 

技術・営業・企画の三本柱

―KDDIにはどんな職種がありますか?

大きく分けて三つの職種があります。通信ネットワークやシステムの構築・運用、新たな技術の開発、メンテナンスに関わる「技術系」、販売代理店さまや法人向けに提案を行う「営業系」、サービス企画やマーケティング、事業戦略を練るなどを担当する「企画系」です。

どの職種も他部署や取引先と協力しながら進める仕事が多く、チームで動く力が大切です。

KDDIの職種(KDDI提供)

強みを生かした行動力、対話力が必要

―どんな人材を求めているのでしょうか。

採用の際に特に大事にしているのは二つです。一つは、あるべき姿を掲げて具体的な目標を立ててやり抜く力、もう一つは、周囲と真摯に向き合って、変革していく力です。

KDDIのオフィスの様子(KDDI提供) 

時代や技術の動きがとても速い今、前例のないテーマに挑戦する力が求められています。その中で、自分自身の目標を定め、必要な行動を考え、実行する力が必要です。また、社外のパートナーと一緒に新しい価値をつくる場面も多く、相手と丁寧に対話する力も重要になっています。

社内では、「関心が変わっても、新しい分野に挑戦できるからKDDIを選んだ」という声を多く聞きます。興味や働き方が変化しても、会社の中で別の仕事に挑戦できる柔軟さがあるのは、大きな魅力です。

好奇心旺盛な人にぴったり

―KDDIに合っている人は、どんなタイプだと思いますか?

強みや得意分野を持ちながらも、いろいろなテーマに関心を持ち、自分で調べたり、学んだりできる人が活躍しています。社内には新しい分野に挑戦できる機会が多くあり、関心に合わせて仕事を広げていける環境が整っています。

学部や学歴より「意欲」を重視

―通信と聞くと、理系のイメージを持ちますが、実際はどんな学部出身の方が多く働いていますか?

理系・文系を問わず、幅広い分野から人材が集まっています。新卒採用における文理比率は、だいたい半々です。技術系の職種では理系の知識が生きる場面もありますが、学部卒か大学院卒かといった学歴の違いで大きな差が出るわけではありません。「入社後にどれだけ自ら学び続けるか」が、より大切だと考えています。

KDDI株式会社

 

2000年発足。従業員6万4636人(2025年3月、連結)。連結売上高5兆9180億円(25年3月期)。25年度の新卒採用数267人。本社・東京。モバイルブランド「au」を始めとした携帯電話事業、通信基盤を活かしたDX事業などを展開。金融やエネルギー、コンテンツメディア事業なども手掛ける。