日本三大メガバンクの一つ・三菱UFJ銀行。銀行は「お金を預ける」イメージが多いかもしれないが、実際の業務は多岐にわたる。人事を担当する井戸智香子さんに、銀行の仕事内容や求める人材などを聞いた。(黒澤真紀)

人や企業の挑戦をサポート

―金融業界にはどのような特徴がありますか? 社会に与えている影響についても聞かせてください。

金融業界というと、お金を預けたり必要なときに借りたりする「出し入れ」のイメージが強いですよね。でも実際には他にもたくさんあり、銀行の仕事は人と社会と地域のすべてにつながっています。

人が夢をかなえたり、会社が新しい事業を始めたりするためにも、お金はなくてはならない存在。金融業界は、人々や企業の挑戦を支えながら、社会や産業の未来に向けて金融面からサポートしていく役割を担っています。

インタビューに応じてくれた井戸智香子さん(人事部採用・キャリアグループ)(写真・三菱UFJ銀行提供)

弊行では他にも、300社以上のグループ会社と連携し、食や宇宙、スポーツなどさまざまな分野を応援しています。例えば食の取り組みでは、農業や水産業の生産者に資金や経営のサポートを行い、安心・安全な食を届ける仕組みづくりに貢献しています。最近では、中高生にお金の大切さや役割を伝える「出前授業」も好評です。

「Food‑X Project」。農業から消費まで、食の仕組みを金融面で支え、持続可能な流れにする(写真・三菱UFJ銀行提供)

「お金関係だけでない」部署数は600近く

―三菱UFJ銀行にはどんな職種がありますか? それぞれの役割や特徴について教えてください。

みなさんに一番なじみがある「窓口」は、預金や振り込みなどの事務をするイメージが強いと思います。ですが今は大きく変わり、「プロフェッショナル職」としてお金の運用相談やお客さまの困りごとまで幅広く対応しています。

専門性を持つ部署が協力し合い、お客さまや社会を支える(写真・三菱UFJ銀行提供)

代表的なのは「営業」「審査」「調査」です。営業は、お客さまのお話をよくお聞きし、希望や困りごとに対して最適な提案をします。審査は、営業の提案が適切か、返済が可能かなどリスクを見極める役割。調査は、経済や地域の動きを調べ、銀行全体の判断に役立つ情報を集めます。それぞれが、連携して力を発揮します。

弊行には600近い部署があり、企画や人事など入行後に多様なキャリアを築けます。私自身も、法人営業、M&A、研修講師、支店長、人事採用などを経験してきました。今でも「こんな仕事もあるんだ」と驚くことも多いです。最近ドラマでは富裕層向け営業の「プライベートバンカー」も話題になりました。銀行の仕事は本当に幅広く、さまざまな人が活躍できる場があります。

素直に学べ、人の話を聞けるか?

―三菱UFJが求める人材像について教えてください。

私たちが大事にしているのは三つ。一つめは「人間力」です。誠実さや温かさ、生き生きとした姿勢は相手に伝わります。お客さまと直接向き合う仕事だからこそ、信頼感が大切です。

二つめは「スキル、専門性」。新卒はこれからの成長に期待して採用するので、最初から知識や技術がなくても構いません。入行後にしっかり学び、仕事への理解を深めていってほしいと考えています。三つめは「成長力、挑戦力」です。変化の大きい業界だからこそ、新しい仕事に前向きに取り組む気持ちが必要です。

でも何より大切なのは「素直さ」だと感じています。素直に学び、人の話を聞ける方、人に伝えることができる方、そのような方と一緒に働きたいですね。ぜひみなさんも、期待される仕事と自分のワクワク、自分の得意なことが重なる部分を見つけてください。仕事に全力で取り組むときっと楽しくなりますし、成長も早いと思います。

三菱UFJ銀行

 

1919年設立。本社は東京・丸の内。日本最大級のメガバンクとして、社会や産業の未来を金融面から支え続けている。

三菱UFJ銀行の親会社である三菱UFJフィナンシャル・グループは従業員は約15万6000人(2025年3月末、連結)。連結売上高は約13兆6000億円、純利益は過去最高の1兆8629億円(2025年3月期)を記録。商業銀行を中心に、信託、証券、資産運用、カード、リースなど幅広い金融サービスを展開し、国内外の約40カ国、2000拠点以上で事業を行う。