私は憧れて入った高校で、いじめを受けました。殴る、蹴るの暴力や「死ね」という暴言を浴びてPTSDになり、転校を余儀なくされました。今いじめに悩んでいる人へ、「一人じゃない」と伝えたいです(高校生記者・イクラ=3年)
10カ月にわたるいじめを受け
私は高1の7月から高2の5月まで、クラスの男子全員と一部の女子からいじめを受けていました。一時的なものではなく、長期間にわたるものでした。髪を引っ張られたり、殴られたり蹴られたりといった暴行や、「死ね」「早く学校辞めてしまえ」という暴言などを受け、言葉にならないほどつらい毎日でした。

先生たちは、私の味方にはなってくれませんでした。「クラスの男子と顔を合わせるのがつらいから、別室登校にしてほしい」とお願いしても、最初は「部屋がない」と取り合ってくれませんでした。教育委員会にも相談しましたが、学校の対応は変わりませんでした。
憧れた高校「やめたくない」
高2の7月にPTSD(心的外傷後ストレス障害)を発症しましたが、それでも私は毎日、学校に通い続けていました。中学生のときに「この高校に行きたい」と自分で決めたからです。「自分で決めた道は最後までやり抜きたい」という思いだけで過ごしていました。
ですが、体は正直です。フラッシュバックや不眠などの症状が悪化し、登校できなくなってしまいました。そのとき初めて「転校しないといけないかもしれない」と悩みました。将来の夢に直結した学びができるため、憧れがあり、希望を持って選んだ高校だったからです。
高校が「絶望」の場所に
悩むうちに気づいたことがあります。中学生の頃は将来の夢に近づけるという「希望」を持って入学したのに、今は「絶望」の場になってしまっているということです。だから私は、「絶望を感じる場所から、再び希望を持てる場所へ移ろう」と決意しました。
高2の12月に転校しました。転校した今は、新たな高校で希望を持って過ごせています。

学校のことは「到底許せない」
率直に言えば、学校にはもっと寄り添ってほしかったです。学校が対応してくれたら、転校しないでしないで済んでいたかもしれません。「普通の高校生活を送れていたかも」とも考えてしまいます。
同級生からのいじめや学校の対応によって心を壊し、将来の夢が遠のきました。中学生のころから目指していた高校だったのに、まさか転校することになるなんて、今でも受け入れられません。私の夢を壊した学校も、到底許せません。
「嫌」と感じた時点でいじめ
「いじめ」には関係する法律「いじめ防止対策推進法」があり、法律で「いじめ」は定義されています。
簡単にいえば「いじめられている本人が『嫌だ』と感じた時点で、いじめである」と書かれています。「これっていじめなのかな?」と不安になって、誰にも相談できずにいる人もいるかもしれません。でも大丈夫です。あなたが「嫌だ」と思ったなら、いじめです。家族やいじめ被害者支援をしている弁護士さんなど、信頼できる人に相談してみてください。
必ず味方はいる
最後に、いじめに悩んでいるあなたへ。私もいじめを経験した一人として、あなたがどれだけ頑張っているか、どれだけつらいか、少しは想像できます。もしかすると、まだ誰にも気持ちを話せていないかもしれません。でも私は、あなたに話してほしいと思っています。
これ以上、あなたが傷つくのはつらいです。この記事を読み終えたら、誰かに話してみてください。「あなたは一人じゃない」。あなたには、必ず味方がいると私は信じています。
-
悩み相談窓口
【電話】
・こころの健康相談統一ダイヤル 0570-064-556
0120-279-338 岩手県・宮城県・福島県からは 0120-279-226
【SNS】