子どもが「起立性調節障害」だと診断されたら、保護者はどうサポートすべきだろう。子どもへの接し方や学校生活の対処法を、起立性調節障害に詳しい医師・山分銀六先生(やまわけ・ぎんろく)(大阪医科薬科大学病院小児科)に聞いた。(文・木和田志乃、写真・本人提供)

まずは「病気」だと理解して

―起立性調節障害の子どもに対して保護者はどのようにサポートすればよいでしょうか。

まず、「病気である」と理解してください。本やインターネットで病気について学ぶことも大切です。

さらに、同じ病気を持つ子どもの家族会もあります。悩みを共有したり、アドバイスをもらえたりするため、おすすめです。

子どもが起立性調節障害になったら…

学校への配慮を依頼しよう

―保護者として学校にどんな配慮を求めたらよいですか。

まずは「体調が悪いときには休ませてほしい」と学校に伝えましょう。例えば体育の見学時に気温が上がると体温も上がり、血管が拡張し、血圧が下がりやすくなります。そのため、涼しい場所や保健室で見学できるように相談してください。

クラスメートとの関係が症状に影響することもあるため、クラス替えの際に配慮を求めるのもよいと思います。

―進学に当たり注意した方がいいことがありますか。

高校受験の場合は、中学3年生の秋以降の登校状況や症状を確認してください。治療経過を見ながら、高校生進学後の登校が難しいと予測できる場合は、通信制や定時制の選択肢も考えましょう。

大学受験の頃には、中学生の頃より症状が改善していることが多いです。そのため、体調が安定していれば、希望する進路を目指して問題ありません。

 

 

山分銀六

やまわけ・ぎんろく 大阪医科薬科大学病院小児科専門医。起立性調節障害について専門的治療を行う。