吉田愛菜さん(福島・県立福島高校3年)の写真作品「ゴールイン」を紹介します。体育祭で女子が男子を「お姫様抱っこ」する瞬間を撮影、全国高校総合文化祭(清流の国ぎふ総文2024)の写真部門に出品されました。どのように撮影したのか聞きました。(写真・学校提供)

体育祭で「これぞ青春」な瞬間を撮影
―作品のテーマを教えてください。
「高校生活でしか撮れない瞬間を撮りたい」と考えていました。そこで「体育祭での様子を題材にしよう」と思い、作品作りに取り組みました。
体育祭では、ドッジボールなどの競技や借り物競走などさまざまな競技で写真を撮りました。借り物競走は体育祭で特に盛り上がる競技なので、シャッターチャンスを終始狙っていました。中でも「男女逆転」でお姫様抱っこをしてゴールした2人の様子が面白くて。最高に盛り上がった瞬間で、私も「逃してはいけない」と一生懸命撮りました。
撮った写真を確認するとピントがきれいに合い、「これぞ青春」と呼べるような、撮りたかった写真が撮れていてとてもうれしかったです。ゴールテープを切ることと、2人が結ばれることをかけて「ゴールイン」という作品名にしました。
―こだわったり工夫したりしたポイントはどこですか?
周りの人々の盛り上がった様子など臨場感が伝わるように、あえて周りの人が写り込むようにしました。何を取りたいかが伝わるように、人の動きはもちろん、体が枠に収まるように気をつけて撮りました。Tシャツに入った文字が面白くて写真に収めたかったので、文字が見えるように撮影できてよかったです。
砂ぼこりに負けず2日間で3000枚撮影
―難しかった点、苦労した点はありますか?
動きがある中で撮り直しもできない状況なので、ブレがないように撮るのが大変でした。さらに近づいて撮れなかったので、ピントを合わせるのは大変で……。連写して、後から一番よい写真を選定しました。
体育祭の日は風が強く、撮影自体が大変でした。一時砂ぼこりが起きて、撮影しても人が見えなくなったこともありましたが、無事に風が収まって良い写真が撮れたのでよかったです。
2日間で3000枚近く撮影
―撮影中、印象に残っているエピソードはありますか?
クラスメートが出ている競技を撮影した際、私のクラスのTシャツの色が蛍光色のピンクだったのでとても目がチカチカしました。ですが、他のクラスと混じって試合をする時は目印になって分かりやすかったです。
2日間の体育祭でしたが、良い瞬間を切り取るために連写したため、3000枚近くの写真がフォルダに入っていて、見返してよい写真を見極めるのがとても大変でした。
―よい作品を作るためのコツを教えてください。
たくさん写真を撮ることだと思います。私のフォルダには目をつむっていたりボケてしまったりした写真、人物の一部が枠から切れてしまい動きがわかりにくい写真など、ボツになったものも多くあります。失敗を積み重ねることで良い写真が撮れるようになると考えています。