能芝弘詠(のしば・こうえい)さん(京都・東山高校2年)の写真作品「ご用はなぁに?」を紹介します。魔法のランプから出てくる「魔人」を再現したこの作品は、全国高校総合文化祭(清流の国ぎふ総文2024)の写真部門に出品されました。どのように撮影したのか聞きました。(写真・学校提供)
「アラジンと魔法のランプ」に触発されて
―作品のテーマを教えてください。
ディズニー映画「アラジンと魔法のランプ」をイメージして制作しました。制作に取り掛かった時は全く違うコンセプトの作品を考えていましたが、2週間ほど方向性がブレブレで。その間に撮影した作品を眺めていたら、地面から這(は)い出てきているように見えた作品があったんです。
「何か応用できないだろうか」と思って写真部の部員や顧問の先生と相談しているうちに、「ファンタジー系の作品にしてみては?」とアドバイスをもらいました。ファンタジーといえばディズニー、ディズニーといえばアラジンと結びつけて、この発想に至りました。
見る人に「どのようにして撮影したのか」「不思議やな〜!」と思ってもらえるような作品にしようと意識しながら撮影しました。
煙が晴れた一瞬を捉えた
―こだわったり工夫したりしたポイントはどこですか?
特に光の当て方にこだわりました。最も重要ともいえるランプは通販で買ったのですが、思いのほか安っぽく見えて……。さまざまなライトを試して、どこから、どの距離で光を当てたら光沢が増して高級感が出るのか、最後まで試行錯誤しました。
―難しかった点、苦労した点はありますか?
煙を作るのがとても大変でした。スモークマシンを使って煙を作りましたが、スモークの量や放出する場所を調節できません。一回一回袋にため、角度と分量を考えながら何回もやり直しました。少しでもスモークが多すぎると画面全体が真っ白になってしまうので、煙が晴れた一瞬を捉えるのにかなりの時間を要しました。
「魔人」役の友達はずっとえび反り
―撮影中、印象に残っているエピソードはありますか?
モデルの友達が本当によく頑張ってくれました。作品の中では明るい顔をしていますが、実はずっとえび反りをしていて、なかなかつらい体勢になってもらっていました。たぶんどの運動部よりもきつかったと思います(笑)。「しんどい」と言いながらも最後の最後までモデルをやってくれた友達にとても感謝しています。
―よい作品を作るためのコツや、上達のためにおすすめの練習方法を教えてください。
自分が一番いいと思うまで粘り強く写真を撮り続けることが大切です。撮り続けるうちに、他の人にはわからない新たな発見がたくさんあるに違いありません。その発見を生かして撮影するうちに、自分の納得するベストショットが撮れると思います。