大地琴梨さん(愛知・杜若高校3年)の写真作品「自分を信じて」を紹介します。「大学受験」「E判定」といった言葉や時計に囲まれた生徒を撮影したこの作品は、全国高校総合文化祭(清流の国ぎふ総文2024)の写真部門に出品され、奨励賞を受賞しました。どのように撮影したのか聞きました。(写真・学校提供)

自分を信じて(第48回全国高等学校総合文化祭 写真部門奨励賞受賞)

試練に挑む高3生の姿を表現

―作品のテーマを教えてください。

大学受験を本格的に意識し始めた、高校2年生の初冬に撮影しました。高校3年生は人生の大きな分岐点であり、ただ楽しいだけの学校生活ではなく、限られた時間の中で受験など乗り越えていかなければならないことばかりです。そんな中、未来に向かって一つ一つの試練に挑む今この「瞬間」を表現したいと思い、撮影に取り組みました。

「自分を信じて」というタイトル通り、これから受験などさまざまなことに挑む自分自身や、全国の高校生へのエールを込めています。

撮影した大地琴梨さん

プロジェクターで文字や画像を投影

―こだわったり工夫したりしたポイントはどこですか?

まずは背景に入れる言葉選びから始め、プロジェクターで投影する文字と時計の画像を作りました。

モデルの表情を浮き立たせるための照明の角度や明るさを調整して、投影した文字がモデルに対して浮かんで重なるようにするために、透明のアクリル板をうまく活用しました。決意を内に秘めて未来を見つめるようなモデルの表情にもこだわりました。

―難しかった点や苦労した点はありますか?

モデルの顔に文字がかぶらないように撮影することです。プロジェクターで画像を投影しながらの撮影だったため、撮影している自分の影が画面に入ってしまわないように注意を払いながら撮影しなければなりませんでした。何度も撮影する角度や場所を変えるなど、試行錯誤の連続でした。

友人モデルに試行錯誤、表情や視線も工夫

―撮影中、印象に残っているエピソードがあれば教えてください。

プロジェクターを使用しての撮影だったので、背景画像と照明の効果を少しでもよくするために、日没後から下校時間までの限られた時間の中で撮影しなければなりませんでした。それでも、モデルを引き受けてくれた友達が遅くまで快く撮影に協力してくれて、私がイメージしている作品になるように顔の表情や角度、視線の向きなどいろいろ工夫してくれました。友達の協力がなければこの作品は生まれなかったので、とても感謝しています。

―よい作品を作るためのコツ、上達のためにおすすめの練習方法を教えてください。

何を表現したいのかを意識し、試行錯誤することが大事だと思います。顧問の先生からは「宝さがしみたいな感じで、楽しみながら撮ればいい」といつも言われるので、部員の友達と楽しみながら撮っています!