全国高校総合文化祭(かがわ総文祭2025)の写真部門で、金山基柱さん(兵庫・神戸国際大学附属高校3年)が最優秀賞の一つである文部科学大臣賞を受賞した。作品に込めた思いを聞いた。(文・写真 椎木里咲)

「在りたい」(第49回全国高校総合文化祭写真部門・文部科学大臣賞受賞)

「自分を押し殺す感情」を表現

─作品のテーマを教えてください。

作品名は「在りたい」です。「ありたい自分を押し殺している」感情をイメージして撮りました。僕の高校の写真部は、月に1~2回、プロのカメラマンが来て講習会が開かれます。そのとき、同じテーマで男の子の写真を撮影したのですが、「足を女の子にした方が、あなたのイメージが伝わるんじゃない?」とアドバイスをもらい、ブラッシュアップしました。

写真が重なる位置を何度も調整

─こだわったり、工夫したりしたポイントは?

モノクロの写真と、後ろの女の子を「一人の人間が立っている」ように見せた部分です。モノクロの写真の方が少しサイズが小さいのですが、足のつなぎ目が合わさるよう、何度も調整しました。展示会場でお客さんが「おっ、ええやん!」と言ってくれていてうれしかったです。

撮影した金山さん

─大変だったところは?

レタッチです。カラーの部分とモノクロの部分は境目をはっきりさせたくて、調整しては印刷して、また調整して……先生と相談して3~4回レタッチを重ねました。

─撮影中、印象に残っているエピソードは?

モノクロの写真は、写真部の部員に持ってもらったのですが、30~40分くらい撮影していたので、だんだんと腕が下がってきてしまって。「もうちょっと頑張れ!」と鼓舞しながら撮りました。

「撮りたい欲」を引き出そう

─よい作品を撮るためのコツを教えてください。

いっぱい撮ることです。やる気って、物事を始めてからじゃないと出ないと思うんです。自分が楽しくなるまでたくさん撮って、自分の中の「写真を撮りたい欲」を出すのが大事だと思います。