馬越結衣那さん(愛媛・西条高校2年)は、「なにげない一瞬」をとらえることをモットーに写真作品作りに力を入れています。全力で変顔をする母を撮影した作品「母の夏休み」は、文化部の全国大会「第49回全国高校総合文化祭(かがわ総文祭2025)」の写真部門に出品されました。
「ささいな幸せ」を写真で残したい
―作品のテーマを教えてください。
テーマは「なにげない一瞬」です。今回の作品に限った話ではなく、写真を撮る際には絶対に心の中にあるテーマです。日常で感じた、ささいな出来事を写真に残し、「自分が送る生活がどれだけ幸福でいとおしいものなのか」を伝えられるように心掛けています。
「母の夏休み」は、去年の夏休みに家族旅行に行った際に撮りました。母は、とても楽しそうに梨狩りをしていました。母は時に優しく、時に厳しく私を育ててくれ、尊敬しています。尊敬する母のひとときを写真におさめられたのは、一人の写真家としての誇りです。
母の表情伝わる構図目指し
―こだわったり工夫したりしたポイントは?
母の表情がちゃんと伝わるような構図です。変顔をする時の母は、一番「楽しい」という表情が分かりやすいので、表情がしっかり伝わるよう意識しました。母の表情を独り占めできるのは娘の特権です。母の表情の明るさが伝わりやすいように、写真の明るさにも着目して仕上げました。
―難しかった点や、苦労した点はどこですか?
作品の題名に悩みました。案の中には英語もありました。「母がどんなことで楽しんでいるのか」をぎゅっとまとめるのに時間がかかりました。
「私が見てきた日々を大切にしたい」
―制作途中を振り返り、印象に残っているエピソードを教えてください。
今回の作品を県内の高文祭に出そうと決めた理由は、私が「写真を撮る理由」を一番表現していた作品だからです。テーマにもつながりますが、私が写真を撮る理由は、「なにげない一瞬をこれからも覚えておきたいから」。家族旅行や学校生活など、「私が見てきた日々を大切にしたい」という思いがあります。
母の表情は、私が写真を撮る理由をしっかりと表現しています。作品への思いがどこまで届くかは分からなかったのですが、県の高文祭審査員の評価でちゃんと伝わっていた時はとてもうれしかったです。
それと同時に「ナイフがいい」と言われました。なぜでしょう? 人が変わると価値観も変わるからだと私は考えています。
「とにかくいっぱい撮って!」
―よい作品を作るためのコツを教えてください。
とにかくいっぱい写真を撮ってください! 写真を撮らなければ何も始まりません。「質」ばかりを気にしては「その一瞬」を逃してしまいます。「質より量」が要です。
あとは「写真を撮る理由」を意識してみてください。答えは人それぞれです。あなただけの「理由」を誇りに、胸を張ってシャッターを切ってください!


















