中学までは成績が良かったけれど、高校に入学したらがくんと落ちた……なんて覚えのある人はいるのではないでしょうか。20歳で学習塾を創業し、4000人以上の生徒を直接指導してきた石田勝紀さんに、読者から寄せられた「親が成績に対して厳しく責めてくる」というお悩み相談に答えてもらいました。
-
【お悩み】親が成績に対して厳しく責めてくる
親からの成績や勉強に対する口出しにストレスを感じています。私は田舎に住んでいて、昨年までは人数の少ない公立中学校に通っていました。人数は少なかったのですが、その中で私は成績が良い方で、テストの順位は必ず1桁を取っていました。高校は自分の実力よりも少し偏差値の高い高校に挑戦してみようと思い、自分にとってレベルの高い高校に入学しました。
高校に入学したら成績がほぼ最下位にしかし、その高校の中での私の成績は最下位に近く、親には「なんでこんな成績しか取れないの!?」「寝ないで勉強しなさい!」などと厳しい言葉を言われ、それがストレスになり勉強する気がなくなっています。自分なりには頑張っているつもりなのに、責めるように言われてとても悲しいです。家が近い幼なじみの子も同じ高校で、その子は成績が良いのですが、その子と比べられることもあり、本当にやる気が出ないです。
親に怒られないようにするには成績を上げる必要があって、成績を上げるには勉強する必要があって、勉強するにはやる気が必要で、やる気を出すには親に勉強しなさいと言われない環境がいる……と言う負のループに陥って困っています。(ゆず・高校1年女子)
親の不平不満は「受け取らない」
こんにちは。石田勝紀です。とても大変な状況ですね。親からのプレッシャーや期待に応えようとする気持ちは理解できますが、それがストレスになっているのはつらいですよね。まず、ゆずさんの努力や頑張りは十分に価値があることを忘れないでください。
親は本来、子どもの気持ちに共感して話をしていくもので、不平不満、指示命令を子どもにするものではありません。もちろん、子どもが伸びてもらいたいという背景があるのかもしれませんが、ゆずさんが親から言われた「なんでこんな成績しか取れないの!?」「寝ないで勉強しなさい!」は、好意的に解釈しても表現的にアウトであると思います。ですから、親は励ましのつもりで言ったのかもしれませんが、それらの言葉は一切無視してください。受け取る必要はありません。親を軽蔑するという意味ではありません。この言葉は受け取らない、という意味です。

成績を上げるのは難しくないよ
さて、ではここから本論です。今、高校で最下位に近い状態にあることは今後の高校生活を送るうえで、楽しめない可能性がありますね。なんだかんだ言って、勉強が中心の高校生活ですから。なので、成績は上げてしまいましょう。上げることは難しくありません。方法があるからです。
高校1年であれば、「数学」と「英語」でまず点を取ってしまいましょう。この記事では文字数の限りがあるので、ポイント程度しか書けませんが、効果はあるので、やってみてください。
【数学】問題集は3回転、わからない問題にはふせん
数学は基本的に毎日コツコツやります。10分でも15分でも結構です。使用する問題集は学校の準拠問題集です。授業で終わった部分をやっていきます。そして問題集は3回転させ、間違えた問題だけ繰り返していきます。そして、計算ミスはOKとして処理してください。見て解ける問題ははじめからやりません。できない問題ができるようになることが勉強の意味だからです。

そして、数学は特に「解説を見てもわからない問題」が出てきます。その問題にふせんを貼っておき、必ず先生に聞きに行ってください。これは絶対です。定期テスト直前には3回やっても間違えた問題だけやります。なぜならそれがテストに出るからです。ですから、テスト前の貴重な時間にそれ以外の数学はやってはいけません。時間がかかるため日頃、分散してやるのです。
【英語】復習重視、「音読20回」はマスト
英語は、学校で予習を求められる場合は仕方ありませんが、基本的には復習型です。特に定期テスト前の勉強が最も重要になります。テスト前の勉強方法は、①音読20回②教科書準拠問題集3回転③新出単語記憶の順でやります。この逆の順番でやると英語は点が取れません。音読20回は絶対で、やると飛躍的に英語は点数が伸びます。
日頃、単語テストがある場合はきちんと取り組みます。覚え方は、書いて覚えるのではなく、テストを繰り返して覚える方法です。
できる子たちはほぼ同じ方法でやっています。高校になると科目も増え、教科書のボリュームも増えるので定期テスト勉強は最低2週間前から始めます。家で親がうるさい状態であれば、図書館や学校の図書室でやればいいでしょう。
ぜひ、このように、親の意図とは関係なく、自分の人生は自分で切り開いてみてください。
石田さんに相談したいお悩みを募集します
高校生の読者のみなさんの勉強や進路に関する悩みを募集しています。
どんなことで悩んで、何を知りたいか、今はどんな状況なのかをLINEアカウント「高校生新聞編集部」に送ってください。
メッセージの最初に「石田さんへの相談」であることと、学年・性別・ペンネーム(希望者のみ。お名前・アカウント名は掲載しません)を明記してください。相談に回答できない場合もあります。記事で紹介させていただく場合は編集部から連絡します。
※記事にする際は、読者の方に読みやすく、分かりやすくするために、投稿の趣旨を変えない範囲で短くしたり、表現や表記を添削させていただく場合があります。
いしだ・かつのり 教育者。教育デザインラボ代表理事。著書執筆・講演活動を通じて、学力向上のノウハウ、社会で活用できるスキルやマインドの習得法を伝える。『子どもの自己肯定感を高める10の魔法のことば』(集英社)など著書多数。