15回目の県総合優勝を記念したトレーニングルームの前で (写真提供・松山高校)

昨年、埼玉県の総合体育大会で4年ぶりに総合優勝した松山高校陸上部。強さの理由は、自ら考えながら練習する部員が多いこと。連覇を目指すシーズンがスタートした。
(文・写真 野口涼)

高校で伸びる選手が多数

ウオームアップやクールダウン、ウエイトトレーニングの際は笑い声が絶えない。「自主性を重んじる校風。やるときはやる生徒たちですから、細かいことを注意することはまずありません」と顧問の川田雅之先生は笑う。

長距離、短距離など3つのブロックに分かれて練習する。メニューは各ブロックのコーチが作り、それを「自分のコンディションにあわせて調整する」と清水隆裕君(3年)は言う。「自主的にプラスアルファ(のメニュー)を考えられる。高校から伸びる生徒が多いのはそのためです」と川田先生も話す。

今年1500㍍、5000㍍で活躍が期待される小山直城君(3年)も、高校で伸びたひとりだ。中学では県大会出場がやっとだったが、高校では「一つ一つの練習の意味を考えながら取り組み」(小山君)、昨年10月の関東大会の1500㍍で優勝。都道府県対抗駅伝の補欠にも選ばれた。

取材した日の練習の終わりに川田先生は3年生に「最後のシーズンに悔いを残さないように」とひとこと。部員たちは「苦手なスタートダッシュを克服して200㍍でインターハイ上位をねらう」(若林諒君・3年)、「これまで鍛えてきたのだから、前より強くなっているはず。800㍍でインターハイに出場する」(清水君)と今シーズンに賭ける。