女優の桜田ひよりさんに高校生記者がインタビュー。学業と女優業との両立をした自らの高校時代や仕事に向き合う姿勢をまじえて、高校生から届いた質問に答えてくれました。(取材・加藤真優花=高校生記者、構成・中田宗孝、写真・西村満)

「人の変化」に敏感でいたい

―高校生からの質問です。「お仕事に向き合う中で大事にしている考え方を教えてください」

「ちゃんと人のことを見ること」を意識しています。一緒にお仕事をする周囲の方々の表情や行動、ささいな変化になるべく敏感でいたいなって。ただそれは「私は見ているよ」と、表立ってアピールしたいのではなく、「陰ながら見守っている」というニュアンスです。

桜田ひよりさん(ヘアメーク:菅井彩佳、スタイリスト:前田涼子。ブラウス¥35,200ソブ、ワンピース¥64,900ダブルスタンダードクロージング(フィルムTEL03-5413-4141))

小さいころからお仕事をする中で、私はすばらしい役者の方々と出会って、演技の面でたくさん吸収できることがありました。あるとき、私が尊敬できる役者の方々は、みなさん周りをよく見ていることにも気が付いたんです。しかも、困っている人がいたら裏からそっと手助けしている。その行動を誰に知られるわけでなく。役者の仕事をしているとかは関係なく、一人の人として、私もそんな大人になりたいと胸に秘めながら仕事をしています。

生徒役で青春を疑似体験

―続いての質問です。「高校時代は学校生活とお仕事をどう両立していましたか?」

演技のお仕事が楽しすぎて、高校生のときも比重はそちらに傾けていたんです。なので、授業の単位を落とさないようにするのに必死で、「うまく両立できていたのかな?」というのが正直なところ(苦笑)。高校生のキラキラした青春は送れていなかったのかも知れません。

ただ私の場合は、生徒役をいただく機会があります。作品の中で青春や部活の疑似体験をして、学校生活ならではの感覚を得ているんだと思います。

絵と向き合う芯の強さを表現

―映画「ブルーピリオド」は、東京藝術大学を目指す高校生たちの物語。美術部に所属する高校3年生・森まる役で出演されています。撮影中に青春を感じる瞬間はありましたか?

そうですね。この作品に登場する高校生キャラクターたちは、絵を描くことに青春をささげて、それぞれに輝きを放っています。絵に限らず、何かに対して情熱を持って取り組んでいる姿って、すごく輝いて見えるし、心動かされるものがあるんです!

桜田ひよりさん

―撮影の前には絵を描く練習に取り組んだそうですね。

指導の先生から画材道具の説明や描き方の技法といった、本当に基礎的なことを教わりました。そんな美術の講義から始まって、私が実際に絵を描いてみる、デッサンに取り掛かりました。そのときは、球体を描きましたね。役者としてはありがたい時間だったんです。画材の扱い方や筆の走らせ方を分からないまま演技に臨むのと、それを知ったうえで演技するのでは、やはり違います。体に染み付いた演技ができるというか。

―演じる上で、何を意識しましたか?

森まるちゃんは絵を描くとき、かっぽう着を着ています。キャラクターとしては、やはりかっぽう着姿が強く印象に残りますし、森まるちゃんらしさもその姿に現れていると感じたんです。絵と真っすぐに向き合う人なんだろうな、と。

 

なので、絵の練習時間に特に意識したのは、森まるちゃんが絵を描いているときの姿勢やしぐさ。彼女がキャンバスと向き合うときは、体をあちこち動かさず、きっと強い芯を自分の中に持ちながら絵を描いている。それをイメージしながら、そんな姿に映るよう、絵の練習をしていました。

桜田ひよりさんのサイン色紙と映画「ブルーピリオド」オリジナル絵画ステッカーをプレゼント!

桜田ひよりさんのサイン色紙を1人に、映画「ブルーピリオド」オリジナル絵画ステッカーを5人にプレゼント。高校生新聞編集部LINE公式アカウントとお友達になってから、「桜田さん色紙希望」または「ブルーピリオドステッカー希望」と明記の上、「学校名・学年・性別(差し支えなければ)・本記事の感想」をメッセージに書いて送ってね。応募資格は高校生・中学生に限ります。8月31日締め切り。当選者には編集部からメッセージでお知らせします。

映画「ブルーピリオド」

 

山口つばさによる人気漫画を実写映画化。高校2年生の矢口八虎(眞栄田郷敦)は、気心知れた友人らと遊びまわり、勉強も卒なくこなして好成績を維持していた。だが彼は、周囲の空気を読んで過ごす学校生活にどこか物足りなさを感じている。そんなある日、3年生の美術部員・森まる(桜田ひより)の描いた1枚の油絵に心打たれ、八虎は美術部に入部する。そして、入試の難しさで知られる東京藝術大学への受験を決意するのだが……。配給:ワーナー・ブラザース映画。8月9日(金)から全国公開。

(C)山口つばさ/講談社 (C)2024 映画「ブルーピリオド」製作委員会

さくらだ・ひより

2002年12月19日生まれ、千葉県出身。子役として芸能活動を始める。ドラマや映画に出演を重ねながら、2018年から約5年間にわたりファッション誌「Seventeen」の専属モデルを務めた。主な出演作は、ドラマ「彼女、お借りします」「Silent」、映画「祈りの幕が下りる時」「交換ウソ日記」「バジーノイズ」など。