周囲の意見をもとに物事を決めた経験はありますか? ランチのメニューから志望校まで、決断する機会は多く存在します。しかし、周りの意見に流されて決断すると、後悔することになります。(高校生記者・怜生=2年)

部活選びに迷い親の意見に従った

私は小学6年生のときに剣道を始めました。1年間続けて剣道の楽しさを知りましたが、中学校に上がり部活を決めるとき、剣道部と吹奏楽部で悩みました。

竹刀と防具。今じゃただの置物

吹奏楽部に入りたい気持ちが少し強かったのですが、楽器購入が条件になっていて……。親から剣道部に入るよう勧められ、入部しました。平日は朝練と放課後、休日は練習試合をハシゴするなど、週7で活動していました。剣道漬けの毎日に嫌気が差し、何度か退部を考えました。

顧問の勧めで強豪校へ進学

それでも3年間続け、最後の大会の個人戦では念願の県大会に出場し、3回戦まで進みました。その成績から高校でも剣道を続けることを顧問と周りに期待され、高校は全国常連の強豪校を選びました。

合格し剣道部に入部。同期は関東大会や全国大会に出場した人、出場する大会全てで3位以上の人など、明らかにレベルの違う人たちでした。周りとの熱量や技術力が圧倒的に違うため、置いていかれてばかりの日々。毎日毎日同じメニューを繰り返すだけの練習も、私にとってつらい時間でした。

「学校に行くのが苦痛」体も不調に

試合成績も伸びず、部員からもよく見られていなかったです。入部してすぐに両膝を痛め、医者から1カ月は部活に参加しないように言われました。両膝を同時に痛めたため、松葉づえも使いませんでした。しかし車いすに乗るほどのけがでもなかったので、私の姿を見た部員からは「サボり」と思われていたのだと思います。

部活のグループラインをわざと退会させられたり、廊下ですれ違うたびに「サボり魔だ」「もうやめたんじゃないの?」と言われたりしました。だんだんと学校に行くことすら苦痛になり、朝は起きられなくなりました。そんな朝が4日続き、病院で自律神経失調症と診断を受けました。

自分の意志で決める大切さ実感

そして、1年生の 11月に退部しました。毎日部活で嫌な顔をされることや嫌みを言われることがなくなり、精神的にも回復し、症状も軽くなっていきました。自由に使える時間も増えました。

自分の気持ちを伝えず、周りの意見を聞いて物事を決めると、後々自分自身がつらくなります。この経験を通して、「自分の意思で決めることの大切さ」をより実感しました。