自由学園高等科(東京)が昨年度からインターンプログラム「飛び級社会人」を始めた。このプログラムに4カ月間参加し、KDDIでインターンを行った男女2人の生徒が2月、同社内で成果を発表した。(文・写真 椎木里咲)

「auスマートパスプレミアム」に携わる

2人は、週に一度インターン生として業務に携わった。映像や音楽、雑誌の見放題、聴き放題サービスやクーポン情報などを提供する有料アプリ「auスマートパスプレミアム」に関する業務を担当。公式インスタグラムに投稿する「無印良品のおすすめ商品紹介」動画作成や、オンライン英会話サービス「イーオン」で配信する、スラングなどが学べる高校生向けのレッスンを考案した。

インターン生の生徒2人と、auスマートパスプレミアムの担当者

男子生徒は「学校でも委員会などで話し合いをするが、社会人の話し合いは全然雰囲気が違う。自分自身はもちろん、周囲に対して責任が生じるのが社会人だと感じた」と話す。

女子生徒は「『大人は完璧』だと思っていたが、私たちと同じように試行錯誤していることが印象的だった。ひとつの企画を成立させためには、たくさんの話し合いや譲り合いが必要だと分かった」と振り返った。

Z世代の意見を生かす

自由学園高等科「飛び級社会人」は、高校2年生80人が4カ月間、さまざまな企業でインターンを行う取り組みで、2023年度は計21の企業が協力した。

インターン生の指導を担当したKDDIの日髙萌々子さんは、「auスマートパスプレミアムのユーザーは若年層が少ないことが課題だ」と話す。Z世代のマーケティングに注力したいという思いが、インターンを受け入れたきっかけだ。「私たちでは考えつかないような意見や考え方を持っているので、私たちも新たな視点を得られました。インターンを通して多くのことを学ぼうとする姿勢がとても刺激的でした」