「先輩後輩の関係を保ちながらも、友だちのような感覚で楽しくやれるところが今年のチームの特徴です」(中村君)

昨年6月に念願の関東大会初出場を果たした千葉工業高校体操部。中学までの経験者と未経験者が混在するが、お互いを思いやりながら上達に励んでいる。(文・写真 青木美帆)

「県3位」の目標を達成

近年県4位が続いていた同校は、関東大会の県代表に選ばれる団体3位の目標を一昨年に達成。出場した昨年の関東大会を、主将の中村智樹君(3年)は「初めて県外の大会に出てすごく緊張したけど、いい経験ができた」と振り返った。

幼年期からの競技経験者が圧倒的に多い高校体操部の中で、未経験で入部し、3年間頑張り通す部員が多いことが同校の特徴。関東大会に出場したメンバー4人の1人(卒業生)も、高校から体操を始めた。

バック転に憧れて入部した星裕貴君(3年)は「技術が追いつかなくて辛い時はあったけど、頑張った分だけ成果が出る競技。うまくなっていくのが実感できるのが楽しいです」。中村君も「他の強豪チームは上手い人ばかりだけど、うちは初心者から経験者まで幅広く教え合えるのがいい部分」と胸を張る。

活動場所の小体育室には鉄棒やつり輪など必要な器具がすべてそろい、放課後は体操部が独占できる。顧問の蒲原彰吾先生は「恵まれた環境で活動できることに感謝しつつ、目標に向かって自ら考え、行動していってほしいですね」と話した。