学校で毎朝行われる出席確認を、一瞬で終わらせるには? 文京学院大学女子高校(東京)の後藤美汐さん、佐藤結娘(ゆら)さん、重松穂乃さん、藤本ゆいさん(ともに3年)の4人は、プログラミングと顔認証を用いてすばやく出席確認ができないか研究した。代表して、重松さんに聞いた。
「先生の負担を減らしたい」
―研究内容を教えてください。
顔認証を使い、朝の出席確認を素早く手軽に行うシステムを構築する研究です。

現段階で、カメラで顔認証を行い、クラスの生徒だと判定されたら出欠情報ファイルにその出席情報を送るシステムを構築できました。仮実験では少人数ではありますが、しっかり個々の顔を認識して出席確認できました。
―どうしてそのテーマで研究しようと思ったのですか?
毎朝の出席確認の時間を「学習活動などに充てられないか」と考えたからです。加えて新型コロナウイルスの流行をきっかけに、遅刻や欠席した生徒がいるとより具体的な事情を保護者に確認しなくてはならなくなり、先生方の負担は大きく増加しました。出席確認の時間を短縮し、その負担を減らすことはできないかと思い、研究を始めました。
初めてのプログラミングに試行錯誤
―どのくらいの期間をかけて研究しましたか?
テーマ決めなどの時間を除くと1~2カ月くらいでした。一見短く思えるかもしれませんが、皆で集まって研究を進めたほかに、家で各自できることをするなど、毎日パソコンと向き合いました。

―研究を進める中で苦労したことは?
私たちはプログラミングをしたことがなく、今回の研究は初めての試みでした。そのため、ネット検索や動画教材を活用し、手探りの状態で研究を進めていきました。
プログラミング上のエラーが多々起こり、その原因を毎回探し、対処法を見つけるのにはとても時間がかかりました。自分たちで何度も試行錯誤したり、指導担当の先生に見てもらったりして、地道に一つ一つ修正。なんとか顔認証システムを完成させられました。
難題に粘り強く取り組む力ついた
―今後取り組みたい課題はありますか?
今後は作った顔認証システムをクラスで実際に使い、正確にできるか確認していきたいです。さらに出席確認の情報に、「認識した時間」を追加できるようにしたいです。

―研究を進める中で成長したことを教えてください。
私たちはプログラミングを「難しいもの」だと思っていました。しかし、グループメンバーで協力し、一生懸命行うことでなんとか目標を達成することができました。そのときの喜びは忘れられません。
難しいように思えることでも、粘り強く取り組む力が身についたように思います。また、今回の研究の過程で、直面した課題を解決するための、ICT(情報通信技術)の有効な活用法を身につけられたと感じています。学校生活の場面で、これらの学びを生かしていきたいです。