生理痛は人によって症状は異なるものの、身体的にも精神的にもつらいです。なのに、生理を「恥ずかしいもの」と見なす風潮が強いため、「隠れ我慢」している人が少なくないのが現状です。この状況を少しでもなくすため、勇気を出して行った「学校のトイレへのナプキン設置」の取り組みを紹介します。(高校生記者・もち=2年)

生理痛がつらくても我慢…

私は生理が訪れるたびに、毎回ゆううつな気分になります。もちろん、単純にあの「ズキズキする痛み」がきついからという理由がありますが、それ以上に平気なふりをしなくてはいけないのがつらかったです。

生理のときは精神的にも身体的にもつらく、ゆううつな気分になる

痛みを感じていても、他人に話せば精神的に少し楽になると思います。私が小学生の頃、生理に関する授業は女子にしか行われませんでした。「生理は恥ずかしいこと」と無意識に教え込まれているため、生理用ナプキンをトイレに隠して持っていくなど、つらくても「隠れ我慢」しなくてはいけません。

生理用品を忘れても保健室や友達に借りるのが恥ずかしく、つらくても休むことに罪悪感があることは珍しくありません。お金がなくて生理用品が買えず、1人で悩む人もいるでしょう。

学校のトイレにナプキン設置

授業に参加できないほど生理が重いのに、「生理は当たり前のことだから耐えなくてはいけない」と考えていた友達、生理用ナプキンを忘れたのに「誰かにもらうのが気まずい」と考える友達がいます。

私は、このようなさまざまな「隠れ我慢」を少しでもなくしたいと思い、ある取り組みを始めました。それは「学校の女子トイレに生理用ナプキンを設置する」というものです。学校から友達と家に帰っているとき、私が友達に「学校に生理ナプキンがあればいいのに」と提案したところ、友達もこのアイデアを気に入り、二人で先生にこのアイデアをまとめた企画書を提出しました。

私が生理のとき使っているもの。左からピル、湯たんぽ、生理ナプキンを入れるポーチ

今までは、階段を上って保健室まで取りにいかなくてはいけませんでした。しかし、保健室にいる男子生徒の目を気にしたり、遠いため必要なときにすぐもらえなかったりなど、さまざまな悩みを抱える人がいました。

トイレに置くことによって「生理用ナプキンが必要だったらすぐに取れる」ように、この取り組みをしました。生理が「当然」であるというメッセージを男女問わず生徒に届けることも期待しました。

反対する先生も説得

生理用ナプキンは、生理用品を販売している企業と協力して6月から設置予定です。企業は私がインターネットでリサーチして見つけました。設置後は1カ月間の無料お試し期間を経て、利用者の女子生徒にアンケートを取ります。そこで多くの女子生徒の賛同が得られたら、学校がお金を出して継続してくれます。

トイレに設置する予定の生理用ナプキンが大量に入った段ボール

実施を学年に宣言したところ、多くの生徒から支持を得られ、生理についての認識が高まりました。生理を「隠れ我慢」するという風潮が以前と比べてなくなった気がします。当初は衛生面の問題や、「生理用ナプキンは自分で所持するべき」という理由で反対する先生もいが、「生理は当たり前のものだし、生理用ナプキンを忘れるなども想定される。すぐ駆け込めるトイレに置くべき」と主張したら納得していただけました。積極的に協力してくれる先生もいて、とてもほっとしました。

自分から改革して行動に移そう

この経験から、何かを「隠れ我慢」することはやめたほうがいいと学びました。もしもそれで悩んで、学校に行くことがつらくてゆううつになるくらいなら、学校をよりよくするために自ら先駆者となって改革をすべきです。

人からどう見られるかという不安を感じるかもしれません。だけど、積極的に自分から考えて行動するだけでも、その経験はあなたの「宝物」になると思います。