女子個人総合で優勝した柴山瑠莉子(清水綾子撮影)

■第32回全国高校新体操選抜大会・女子個人総合(3月21日・愛媛県総合運動公園体育館)

女子個人総合は、柴山瑠莉子(千葉・クラーク記念国際千葉キャンパス1年)が4種目合計得点65.550で優勝した。

前半2種目は圧巻だった。フープでは18.000、ボールでは17.500と、全日本でもトップレベルの得点をたたき出した。後半種目ではミスが出てしまったが、2位に5点差をつけての優勝。「優勝することができてうれしいが、ミスが出てしまったことが悔しい」と言う。

柴山は、小学6年生のときには全日本クラブチャイルド選手権優勝、中学時代には全日本ジュニアで準優勝。現在、特別強化選手としてロシアに派遣されている喜田純鈴(香川・高松中央1年)とともに国際試合にも出場し、高い評価を得ていた有望選手だ。しかし、高校最初の年だった昨年は、全国高校総体(インターハイ)の出場を逃すなど、ジュニアのトップ選手として大活躍だった中学3年次に比べると、試合の機会が激減してしまった。同じクラブのチームメートが試合に向けての練習に励んでいる傍らで、ひたすら自分の演技を磨き上げる苦しいシーズンとなった。

アジア選手権代表目指す

だが、その努力が実って、11月の全日本選手権では個人総合2位。今年4月に行われる世界選手権・アジア選手権代表決定戦への出場資格を得た。

「体力、集中力、精神力をもっと上げて、4種目決められるようにしたい。そして、代表決定戦で、アジア選手権の代表になること。それから、高校総体や全日本選手権など全国大会に出ること、そこで優勝することが今年の目標」と語る。

これでもかというリスク満載のテクニカルな演技でありながら、音楽をうまく生かした表現力を見せることができるのが柴山の強みだ。今大会の演技も、「ミスはあったが、4種目とも楽しく踊れた」と振り返る。「やっぱり『踊る』気持ちを常に忘れずにいたい」。成績だけではない。この選手の究極の目標はそこにある。(椎名桂子)