女子団体で優勝した日女体大二階堂(清水綾子撮影)

■第32回全国高校新体操選抜大会・女子団体(3月22日・愛媛県総合運動公園体育館)

女子団体は日女体大二階堂(東京都)が18.100で優勝した。2007年以来、10年ぶり2度目。昨年夏の全国高校総体(インターハイ)に続く全国制覇だ。

女子団体は今シーズンから、昨年までの「フープ+クラブ」から「フープ×5」に手具が変わり、今大会にはすべてのチームが昨年の高校総体とは違った新しい作品で挑んだ。準備期間を考えれば、熟練度はかなり落ちるだろうと予測される状況にあったが、そんな不安は払しょくされた。

優勝した二階堂、2位の金蘭会(大阪)、3位の富岡西(徳島)ともほぼノーミスで演技をやり切った。単にミスがない、技が成功した、というレベルではなく、どのチームも音楽を巧みに表現し、情感をも伝わってくる芸術性の高い演技を見せたのだ。高校生の、それもシーズン初めの団体演技としては、上位3チームの完成度は驚くほど高かった。

中でも二階堂は、ヴィヴァルディ「四季~冬」にのせて、まるで空気の精のような透明感をもった軽やかな、そして時には5人の選手が一体に見えるほどの同調性を持った演技だった。旋律と見事にシンクロする手具操作や、曲に合わせた緩急のつけ方など、すべてに優れ、見ている者を引き込んだ。

インターハイ連覇に期待

今年夏の全国高校総体には連覇の期待もかかる。今大会の上位校の仕上がりの良さを考えれば簡単ではないが、二階堂の演技の正確性を発揮すれば可能性は十分にあると言えるだろう。

キャプテンの関谷友香は、「前日の公式練習中にけがをしてしまった選手もいて、不安はあったが本番の演技は、みんながひとつにまとまって練習の成果が発揮できたと思う。」と言う。「今回は遠くでの試合だったが応援に来てくれた仲間もいて、それがとても力になって本番はとても気持ちよく踊れた」という言葉からも、今の二階堂の強さの根幹にある部全体のチームワークの良さが感じられた。(椎名桂子)