現高2から学習指導要領が変わり、教科の名前や習う内容に変化が生まれました。その中で新しく設置された「歴史総合」は、学校の授業内で半分までの内容しか終わりませんでした。旧課程でも歴史科目は最後まで終わらないことが多かったそうですが、学校ごとに学習範囲が異なることは不公平ではないでしょうか?(高校生記者・わっちょ=2年)
新学習指導要領で歴史の受験対策が大変に…
2025年から、大学入学共通テストで歴史科目を受験する場合、必須科目の「歴史総合」と、選択科目の「日本史探究」「世界史探究」のいずれかから2科目セットで出題されます。
歴史科目だけでいうと、従来の指導要領なら「日本史B」「世界史B」のどちらかだけを学べば、共通テストの対策に問題はありませんでした。しかし、「歴史総合」は従来の日本史、世界史の内容が融合した科目。さらに受験するには「〇〇探究」も学ばないといけません。従来に比べ、受験のために学ぶ科目が増えることになります。
授業中に教科書の内容が終わらない…
学ぶ内容が増えているにも関わらず、私の学校では、「歴史総合」の教科書の半分ほどまでしか授業が進みませんでした。教科書では近現代史が扱われていますが、1910年の「韓国併合」までしか終わらなかったのです。
歴史の先生からは、授業内で「年度内に教科書内容が全て終わることはありません」と言われました。歴史総合は学習内容が多すぎるのかと質問したところ、「例年も、(これまでの科目である)日本史Aや世界史Aの教科書をすべて終わらせられないことが多かった」という答えでした。「歴史総合」での受験を選んだ場合、習っていない範囲の自主学習が必要になるということです。
履修範囲に差が出るのは不公平
他校に通う高校生17人に「歴史総合」の進度について聞いたところ、「すべて学習した」と回答したのが5人、「8割以上」と回答したのが2人、「7割以上」と回答したのが4人、「6割以上」と回答したのが1人、「5割未満」と回答したのが5人でした。
時代に合わせて教育が変化する必要があることはわかります。学校の授業が受験のためだけにあるものではないということもわかります。しかし、受験で歴史を選択する人は歴史総合が含まれるにも関わらず、学校ごとに習った範囲に差が出るのは不公平だと思いませんか?
教育の土台は塾や予備校ではなく学校で築かれるべきだと私は思います。皆さんは、学校のカリキュラムで教科書の内容が終わらないことについてどう思いますか?
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