学力アップの強い味方である参考書。高校生は、実際にどんな参考書を使っている? どの参考書を使えばいいのか、選び方はとても重要。高校生新聞の読者である高校生を対象に行った「使っている参考書」に関するアンケートを参考にしながら、紀伊國屋書店新宿本店で参考書売り場を担当する牛込由貴絵さんに「売れ行きの数学の参考書」について話を聞きました。新学年に向けて、ぜひ参考にしてみて!(吉田るな=大学生ライター)
「数学といえば」の定番商品
【1】一度は目にしたことがある
チャート式 基礎からの 数学I+A(数研出版)
「青チャート」の愛称で親しまれる参考書で、新宿紀伊國屋でも圧倒的な人気を誇る。高校生なら一度は目にしたことがあるほどの定番参考書だ。数あるレベル別の中でも青が最も定番で、大学入試を意識した問題集になっている。分厚いため「カッター等で分解して持ち歩くのが楽で良い」(2年)といった活用方法も見られた。
【2】青チャートより易しめ
チャート式 解法と演習 数学I+A(数研出版)
「青チャート」より少し難易度を落とした問題が記載されており、通称は「黄チャート」。教科書からの派生もあり、普段の学習に最適。高校生からは「学校で配られたが、様々な問題と解法が載っているから気に入っている」(3年)と人気がうかがえた。
充実した解説が魅力
【3】解説動画で理解が進む
Focus Gold(新興出版社啓林館)
ここ数年、数学の参考書の中で「青チャート」に続き二番手の人気を誇る。解説動画が付録としてついているほか、わかりにくいところには補足説明がある。黒と金のスタイリッシュな装丁も人気の理由だ。中には「章末コラムの『coffee break』は編集者の愛が感じられてやる気が出る 」(3年)というように、他の参考書にはない魅力をあげる声も。「分野別に分かれていて、自分がやりたい問題を選んでできる」(1年)と、掲載された範囲の幅広さも魅力的。
【4】理解しやすい解説あふれる
数学I・A 基礎問題精講(旺文社)
難易度別で分けられていて、他の参考書より比較的に1冊の厚みがないので取り掛かりやすい。解説がわかりやすく、問題を理解するのに適している。実際に高校生からも「問題数が多すぎず、シリーズ別に難易度を合わせて勉強できる」(2年)といった点が人気だった。
【5】言葉での説明が豊富
スバラシク面白いと評判の初めから始める数学I(マセマ出版社)
言葉での説明が多く、数学への理解が深まる1冊。他教科でのシリーズも多く、他の教科から数学に辿りつく人も。高校生からは「丁寧な解説がされているので、数学が苦手な人でも分かりやすい」(2年)といった声が寄せられた。
基礎固めに最適
【6】文系志望にもおすすめ
高校の数学I・Aが1冊でしっかりわかる本(かんき出版)
文系志望にもおすすめの1冊。数学があまり得意ではない高校生から支持があつく、「今まで共テ数学の模試は2、3割しか取れていない自分が初めて拒絶反応を起こさない参考書」(3年)や「数学が苦手だったので、共通テストに向けた数学I・Aの基礎固めで使った」などの声が届いている。
【7】図を使って解説
NEW ACTION LEGEND 数学Ⅰ+A(東京書籍)
図解による思考のプロセスを細かく記載。高校生からは「LEGENDは青チャートより問題が簡単で解説が分かりやすく無駄がない。さらに発展的な定義定理も書かれており、1冊網羅するだけでもスキルが上がる」(2年)といった効率の良さが人気。
【8】シンプルな構成が魅力
鉄緑会 基礎力完成 数学IA+IIB(KADOKAWA)
東京大学受験指導専門塾・鉄緑会による基礎固めに最適な一冊。牛込さんによると「英語なども含めた鉄緑会シリーズとしてあるので、シリーズで勉強をしようとそろえる人もいる」そう。