人気女優の浜辺美波さんが、高校生から寄せられた人間関係などの悩みに対しアドバイスをしてくれました。浜辺さんが実践する、集中力の保ちかたやルーティーンなどのエピソードも聞きました。(文・中田宗孝、写真・渡辺秀之)

体調整え集中力UP、食事は腹7分目

―高校生からの質問です。「私は集中したいときに限って、別のことが気になり、そればかりを考えてしまいます。浜辺さんはお芝居などの集中しなければならないとき、どのように集中力を保っていますか?」

「気持ちが重くなるようなシリアスなシーン」の撮影前は集中しなくてはいけないなと特に感じています。こんなときは撮影合間の休憩時間でも、無理して明るくふるまわず、誰ともしゃべらずに1人で過ごし、演じる役を保つようにしています。私は本番を終えるとすぐに素に戻れる器用なタイプの役者ではないので、このやり方を高めていることが多いです。

浜辺美波さん(スタイリスト:瀬川結美子、ヘアメーク:寺田祐子(資生堂))

「ここぞ」というときに集中力を発揮するには、体調面を整えるのも大事。私は、消化に良く、温かい食べ物をおなか6~7分目まで入れた状態で、水分やカフェインを摂取するのが体に合っていました。毎朝、栄養ドリンクを飲むのもここ何年かのルーティーンにしています。

撮影本番を乗りきったら「イエーイ!」と言うなど、言葉やリアクションで感情を発散させています(笑)。ずっと集中するのは難しいので、時にはこんな緩急も必要なのかなと思っています。

心地よいと思う友達を大切に

―続いては友人関係に関する悩みです。「私は学校で、友だちになれそうな人ができてもちょっとした言葉や行動から『この人は合わないな』と感じてしまい、すぐにその人と距離をおいてしまいます。仲の良い友だちはいるものの、一人で過ごすのが好きです。でも誰かと話したくなる瞬間もあります。こんな私の人付き合いで大丈夫でしょうか?」

相手との心の距離感を考え過ぎずに、今の自分のままでいいと思います。「一緒にいて心地いいなと思う友だちと、青春をともに過ごして、高校生の今を全力で楽しむ!」。そんな気持ちに重点をおいてほしいです。

そして、友だちや先生とのいい思い出をたくさん増やしてください。私には高校時代から今でも続いている友人が1人います。なかなか会う機会がなくて連絡も時々とる関係なのですが、会うと落ち着くなと感じられる大切な存在です。

「芯の通ったかっこいい女性」表現したい

―出演する連続テレビ小説「らんまん」は、「日本の植物学の父」といわれる植物学者の牧野富太郎(「らんまん」作中の役名は牧野万太郎)がモデルとなる作品。浜辺さんは、牧野博士を支える妻・寿恵子を演じます。

どんな困難な場面に直面しても、自分が選んだ道を力強く歩いていく女性だと、脚本を読んで感じました。物語が進んでいくと、寿恵子は現在の私の年齢よりも年を重ねていきます。一つの役の人生を長く演じられるのも連続テレビ小説ならではのやりがいです。

まだ幼さが残る17歳ころから寿恵子を演じるので、自分自身の演技を「若いころの彼女はこうだったな」と回想のように振り返りながら、妻として母として芯の通ったかっこいい女性へと成長する姿を表現していきたいです。

浜辺美波さん

―「らんまん」の撮影現場の雰囲気を教えてください。

他の映像作品よりも撮影期間が長いこともあり、共演者やスタッフのみなさんとのファミリー感がより一層でているように思います。本作の作風ともあわさって、私も自然と笑顔になってしまうような、とても温かい現場の雰囲気の中で過ごせています。

はまべ・みなみ 

2000年8月29日生まれ。石川県出身。2011年に女優デビュー。主な出演作は、映画「君の膵臓をたべたい」「賭ケグルイ」シリーズ、ドラマ「ドクターホワイト」など。最新出演作は、3月より公開中の映画「シン・仮面ライダー」

連続テレビ小説「らんまん」

連続テレビ小説「らんまん」より

江戸時代末期の1862年、高知で生まれた万太郎(神木隆之介)は、草花に夢中になり、独学で植物に関する知識を学ぶ少年時代を過ごした。やがて上京した彼は、東京大学の植物学教室で助手として働きながら植物の研究に没頭していく。そして、のちに妻となる寿恵子(浜辺美波)と運命的な出会いを果たし……。

4月3日(月)より、NHK総合、毎週月~土曜午前8時~8時15分(土曜は1週間の振り返り。NHKBSプレミアム、BS4Kでは毎週月~金曜午前7時30分~7時45分)などで放送予定。