テレビ番組の大食いチャレンジ企画。挑戦者たちが山のごとく盛られた料理を食べ切ろうと奮闘していますよね。食べることが大好きな私はよく見ていましたが、違和感を覚えるようになりました。(高校生記者・かすてら=1年)
苦しそうに食べる姿に違和感
違和感を覚える理由は3つあります。1つ目は、大盛りの料理を苦しそうに食べる姿は見ていて気持ちよくないからです。おいしそうにきれいに完食する人はいいのですが、大半の挑戦者は苦しそうにあえぎながら食べています。
食材を無駄にしているみたい
2つ目は、食材を無駄にしているように見えるからです。世界では8億人が栄養不足で苦しんでいると言われます。気候変動や戦争で、以前よりも食糧不足が大きな問題になっています。遠い国のことを考えなくとも、日本にも十分な食糧を買えず困っている人が近くにいるはずです。
新型コロナウイルス感染拡大の影響で失業した国内のひとり親家庭の親が、子どもに少しでも多く食べさせるために食事を抜くこともあるとニュースで知りました。もし私が空腹で苦しんでいるとしたら、山盛りの料理を前に満腹すぎて苦しむ人たちの映像を見ると怒りが抑えられないと思います。
SDGsに逆行してない?
3つ目は、大食い企画を見る子どもたちにも悪影響を与えるからです。「山積みになるほど大量の食べ物があるのが当然」「食べきれなかったら残していい」と無意識のうちに思わせかねません。満足に食べられるありがたみと食品ロス削減の大切さの理解を妨げてしまいます。SDGsを推進する世界的な流れに逆行する価値観を、これからの社会を担う子どもたちに植え付けるのは良くないと思います。
私は10年後、100年後も笑顔で食事できる明るい暮らしを望みます。「もったいない精神」に基づく一人一人の努力が重要ですが、影響力の大きいマスメディアには社会を良い方向へ引っ張る役割を期待します。
テレビ番組での大食いチャレンジ企画について、あなたはどう考えますか?