高校生活は友達関係が広がる分、悩みもつきません。「心がつらい、苦しい」と感じること、ありますよね。臨床心理士でスクールカウンセラーの大倉智徳さんに、読者の高校生からLINE公式アカウント「高校生新聞編集部」に寄せられた悩みに答えてもらいました。

【お悩み】部活で仲間外れにされつらい

今の部活には理由があって、みんなより2カ月ほど遅れて入部しました。2カ月で友達関係が出来上がってしまうのは当然ですが、私にも仲良く、やさしくしてくれました。

部活で仲間外れにされている(写真はイメージ)

しかしある日、学校帰りに私以外の人たちが一緒に帰っていました。ランチか誰かの家に遊びに行くのかはわかりませんが、知らない間に仲間外れにされていたのです。仲間外れは中学生の頃からよくあり、慣れていると思っていたのですが、悲しくてつらくて涙が止まりませんでした。「あぁ、まただ」って。

恐らく、私以外のLINEグループもできています。私の知らない話をよく更衣室でしていて、「何の話?」と聞くと「なんでもよくない? あんたに関係ないやん」で済まされたりします。私はいったいどうすればよいでしょうか?(カスタード・高校1年女子)

人との関わり方を見直す時期

友人関係の相談で仲間外れになってしまったという話は、耳にすることは少なくありません。どういった理由があるにせよ、悲しい気持ちになるのは当然のことだと思います。まず私がカスタードさんの話を聞いて気になったことは、いろいろなところで仲間外れになってしまうのか、特定のグループの中でそうなるのかという点です。

どんな状況で仲間外れになってしまう?(写真はイメージ)

もし、いろいろなところでそうなるのだとしたら、自分の人との関わり方を見直す時期がきていると思います。自分の関わり方の一部に、人との間に微妙な距離が生じる要素(話し方や発言内容など)があって、結果として周りの人だけで集まってしまう可能性が考えられます。

自分だけで考えず大人に相談しよう(写真はイメージ)

でも、どうすればいいのか自分だけで考えると、答えは見えてこないことが多いです。ですので、できれば普段のあなたの友人との関わりを直接見ることができる大人に相談することをオススメします。自分の関わり方を振り返るということは、気持ちのうえではつらいことですが、その先には安心できる友人関係が待っていると考えてください。

「よい距離感」で付き合うと割り切る

特定の人たちだけの間で仲間外れが生じているとしたら、そのグループの人たちとあなたはタイプが違う可能性が考えられます。趣味嗜好(しこう)、価値観、感覚が違うため、その人たちだけで自然に集まってしまうように思います。

相手と自分のタイプが違う可能性も

あなたが相手に合わせる方法もあるかもしれませんが、続けることに疲れたり、自分が見えなくなったりすることもあり、オススメしていません。そういった人たちとは無理に距離を近づけようとするのではなく、お互いによい面が見られる距離感で付き合うことの方が、気持ちも楽であるように思います。むしろ、いまのままの自分で一緒にいられる人たちを大切にすることが、楽しい生活につながるのではないでしょうか。

相性が良いタイプを振り返る

友人関係では、その人にとって「友達になりたい人」と「相性が合う人」が違うことがあります。いままでの友人関係を振り返ってみて、仲良くできた人とそうでない人を比べてみても良いかもしれません。

カスタードさんはいままで、どんな人と一緒に過ごすことが多かったですか? 振り返ると「自分はこういうタイプの人と相性がいい」と見えることがあります。もし分からなかったら、いままで声掛けしてきた人と違うタイプの人と関わってみませんか? 知り合いが増える、人の輪が広がることは、自分の視野が広がることにもつながるように思います。よかったら試してみてください。

 

大倉智徳さん

おおくら・とものり 2002年からさまざまな公立高校でスクールカウンセラーを務める。現在は、小中学校などにも勤務

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