授業に欠かせない黒板。そんな黒板にチョークを使って目いっぱい描いた絵で競う「黒板アート甲子園2022」の結果が発表され、富士宮東高校(静岡)美術部の作品「りょうきゅん百鬼夜行~24時間睡眠ver~」がユーモア賞を獲得した。絶大なインパクトを持つ作品はどのようにして生まれたのか。制作者の一人である城内亜美さん(3年)に話を聞いた。(写真・学校提供)

「りょうきゅん百鬼夜行~24時間睡眠ver~」

リアルな描写と想像の世界の融合

―顔から羽と足が生えていたり、不思議な動物が描かれていたり……みんな同じ顔で、とてもインパクトのある作品ですね! モデルは「りょうきゅん」さんという方だと聞きました。どんな人なのでしょうか。

美術部員でクラスメートでもある、鈴木涼さんという面白い男子生徒です。授業中など、よくウトウトと眠そうにしているのが特徴です。

制作メンバー。左から城内さん、大石伊万里さん、鈴木涼さん、秋山理心さん。鈴木さんが作品に登場する「りょうきゅん」だ

―制作メンバーなんですね。どうして鈴木さんをテーマにしたのでしょうか。

性格や顔が面白くて、想像力が豊かな人なんです。そこで、りょうきゅんの「夢の中」というのをコンセプトに作品を制作しました。りょうきゅんの顔から足や羽が生えた架空の生物や、りょうきゅんの顔をしたウサギなどをたくさん描くことで、りょうきゅんとチームメンバーの脳内を組み合わせた楽しい空間を作りたいと思いました。

描き手と指示役に分かれて遠近感を調整

―制作する中で苦労したこと、それを乗り越えた方法を教えてください。

現実にはあり得ない奇妙な生き物たちを描く一方で、背景の教室や人物などをリアルに描くことを追求しました。しかし、教室の細部までパース(遠近感を出すための線の傾き)を調節しなければならなかったので、とても苦労しました。そこで、チームのメンバーと役割を分担し、離れて指示を出す人と描く人に分かれたり、長い線を協力して描いたりしたことで、リアルな教室を描くことができました。

制作風景。制作には約20時間かけた

―作品の中でこだわったポイントは?

りょうきゅんたちが楽しそうに教室に入ってくる表情や、教室をリアルに描くことにこだわりました。夢の中のあり得ないシチュエーションでも、リアルな描写によって、実際にあってもおかしくないと思ってしまえるような空間になっている所に注目して見てください。