古屋すずのさん(山梨・甲府西高校3年)の作品「存在」を紹介します。機械的な部屋に飾られている、異質な「チョウの標本」と少女の姿を描いたこの油絵は、文化部の全国大会「全国高校総合文化祭(とうきょう総文2022)」美術工芸部門に出品されました。作品に込めた思いやこだわった点を聞きました。(文・写真 野村麻里子)
消えたチョウの標本…どこへ?
―パソコンや配管などが強調された部屋が印象的ですね。
今の社会、機械化が進んでいますよね。部屋の中央に置かれてるのはチョウの標本です。「自然なものだけれど生きてはいない」そんな微妙な存在です。標本であるはずのチョウが、一匹いなくなったのを見つけた少女の姿を描きました。
少女は、チョウのようなきれいなものを大事にしている人。「これからどうなるのかな?」と観る人に想像してもらえたらと思います。
―リュックやスマホが無造作に置かれています。
下校後、自分の部屋に帰って、いなくなったチョウに気づき、駆け寄った感じを表しています。
「自分が何を好きか」知るのが大事
―女性は古屋さんご本人ですか?
いえ、特定の誰かでなく「だれでも当てはまる」ような感じで描きました。
―あえてチョウを選んだのはなぜ?
チョウは鮮やかなイメージがあり選びました。ですが、チョウというより、「標本」であるという部分がこの絵にとって大事です。
―制作期間は?
4カ月くらい。2年生の夏、放課後の美術部の活動で仕上げました。
―こだわった部分は?
人物をリアルにすることと、光の線を見せることです。光は遠くになるにつれてボケるので、そこに気を付けました。光が当たって「明るい部分」と「暗い部分」がありますが、描いている物の質感は変わらないので、そこを表現するのが難しかったです。
―独特の世界観を構築していて、素敵な作品です。作品作りのコツを教えてください。
いろいろな作品に触れて「好きだな」と感じること。「自分自身、何が好きか」を良く知ることが大事だと思います