川崎楓日(ふうか)さん(石川・金沢辰巳丘高校3年)の作品「髪を編む少女」を紹介します。友達が髪を編む様子を表現した立体彫刻で、文化部の全国大会「全国高校総合文化祭(とうきょう総文2022)」美術・工芸部門に出品されました。作品に込めた思いやこだわった点を聞きました。(文・写真 野村麻里子)
友人の髪編む一瞬を彫刻で表現
―なぜ髪を編む様子をテーマに選んだのですか?
少女が髪を編むのは、一瞬かぎりの動きで、女の子らしい「ときめき」がつまっています。絵のような平面でなく立体を選んだのは、平面だとなんだか「場面」を切り取った感じがするから。立体だと「空間」を表現できるんです。
―モデルは誰?
同じ美術部の友人です。最初モデルが決まった時点では、ポーズや髪を編むことは決まっていませんでした。友人の髪は長くてきれい。髪の毛を編む瞬間も、すごくすごくきれいで……。胡坐をかいているのは、友人のちょっとワイルドな感じを表しています。
―赤茶色にした理由はあるのでしょうか。
女の子のイメージが明るい赤。でも私は少女から大人になる青年の期間の女の子を表したかった。明るい赤より、もうちょっと大人びた雰囲気の赤茶を選びました。
細部までプライド持ってやり続けて
―制作期間は?
2年生の2月半ばからだいたい3カ月程度です。
―どこが大変でしたか。
人として成り立つ骨格になるよう作るのが大変でした。石膏で型を起こして樹脂を流しました。指や髪が細かいので、石膏の割り出しが難しかったです。
―うまくいった、気に入ってる部分は?
モデルの女の子は口元に特徴があります。表情がモデル本人に似てよかったです。
―モデルの友人の反応は?
すごい笑ってました! 「似てる」って。
―上達のコツを教えてください。
細部までプライドを持って、諦めずやり続けたらいいものができるかなと思います。