生理にまつわる悩みは、周囲の人にはなかなか相談しにくいもの。でも、不安があるときは一人で抱え込まないことが大切です。思春期外来を担当する産婦人科医の「サッコ先生」こと高橋幸子先生に、読者からの質問に答えてもらいました。(安永美穂)

その日の予定や経血量に応じた使い分けがベスト

―高校生からの質問です。「生理用品にはさまざまな種類がありますが、布ナプキンや月経カップ、タンポンは高校生には早いですか? 生理用品のメリットとデメリット、使い分け方について教えてください」

布ナプキンや月経カップ、タンポンは「高校生には早い」ということはありません。ただ、布ナプキンや月経カップは洗う必要がありますし、タンポンはこまめに交換することが大切です。

生理用品の使い分けを知りたい(写真はイメージ)

次に挙げるメリット・デメリットをよく理解して、外出する日は持ち歩きが便利で使い捨てができる生理用紙ナプキンを使う、運動をする日は動いてもずれる心配のないタンポンを使うというように、その日の活動内容や経血量に応じて使い分けられるといいですね。

【ナプキン】清潔保つ生理用紙ナプキン、肌に優しい布ナプキン

生理用紙ナプキンは使い捨てで清潔を保ちやすく、持ち歩きしやすいものの、人によってはかぶれてしまうことも。経血量が多い日には、パンツのように履くタイプの生理用紙ナプキン(ショーツ型ナプキン)にする選択肢もあります。

布ナプキンは肌にやさしいのがメリットですが、使用後は洗う手間がかかります。

【タンポン】運動するときに便利

プラスチックの細い筒を腟(ちつ)に入れて筒を抜くと、筒の中に入っていた吸収体だけが腟の中に残り、経血を吸収します。動いてもずれないので、運動するときに便利。経血量が多いときは紙ナプキンもあわせて使うと安心です。

長時間の使用は腟の傷口から雑菌が入る原因となるため、どんなに長くても8時間以上入れっぱなしにすることは避けましょう。

【月経カップ】繰り返し使える

シリコン製の柔らかいカップで、腟に入れて経血を受け止めます。生理中は1日1回洗い、生理後は定期的な煮沸消毒が必要。繰り返し使えて、カップの目盛りで経血量が分かるというメリットも。

ただ、腟に入れる角度をつかむのが難しいので、まずはタンポンに慣れてから試してみるのがおすすめ。

【吸水ショーツ】履くだけでラクチン

吸水性のある素材でできているショーツは、繰り返し使えて、履くだけでよいのでラク。洗濯するときは、水かぬるま湯で予洗いしてから洗濯機に入れましょう。価格は約1500円~数千円ほどします。

生理中のプールはタンポンがオススメ

―続いての質問です。「水泳部に入っていて、タンポンをつけてプールに入ることがあります。生理中に泳いでも、体に悪い影響はないのでしょうか?」

生理中に泳ぐと全身の血流も良くなるので、体の奥にある子宮が冷える事はありません。体への悪影響は心配しなくて大丈夫ですよ。

生理中に泳いでも体に悪影響はない

生理中にプールに入るときにタンポンを使うのは良い選択だと思います。経血量が多いときは、1時間に1回を目安に交換できるといいですね。使い慣れていれば、月経カップを使うという選択肢もあります。

ただ、「生理中はプールに入りたくない」と思う人もいるかもしれません。その場合は無理して入る必要はないですよ。生理中にプールに入るか入らないかを決めるのは、あなた自身の権利だということを忘れないでくださいね。

 
高橋 幸子さん 
たかはし・さちこ 1975年生まれ。埼玉県出身。産婦人科医。埼玉医科大学医療人育成支援センター・地域医学推進センター所属。同大学病院産婦人科で思春期外来を担当。年間120回以上、全国の小・中・高校などで性教育の講演を実施している。