石川悠乃さん(神奈川・瀬谷高校3年)の写真作品「あみだくじ」は、第46回全国高校総合文化祭(とうきょう総文2022)の写真部門で、最優秀賞・文化庁長官賞を受賞した。独特な構図で高校生活のワンシーンを捉えたこの作品をどうやって撮影したのか、石川さんに聞いた。(文・写真 中田宗孝)

スポーツ大会で野球部員をパチリ

体操服を着た生徒が座る様子を、後ろからのアングルで撮影。毎年初夏、学校近くのスポーツセンターで行う学校行事「陸上競技大会」でのひとコマだ。

石川さんは作品「あみだくじ」で、第46回全国高校総合文化祭写真部門の最優秀賞・文化庁長官賞を受賞した

「スポーツ中の生徒を撮ろうとカメラを構えていたんですけど、競技場のスタンド席でくつろぐ野球部員がふと目について。おもしろい構図だなと思って背後からシャッターを切りました」

階段状の座席と生徒たちの足が重なり、交錯しているかのような写真の印象から「あみだくじ」と題名をつけた。

変な構図を意識して

受賞作「あみだくじ」のような、カメラマンの個性あふれる独特な構図は、普段から意識しているという。「撮影のときは常に“変な構図”を探しています。例えば、変わった造形物に人物を絡めて撮るとか」

父親が所有していた「Nikon D5600」を愛用する石川さん。鎌倉・江ノ島で行った写真部の撮影会が思い出に残っているという

今後も写真を撮り続けていくと話す。「大人になってから、あちこちに旅行に行くと思う。まだ訪れたことのない日本の各地や海外、色んな場所で写真を撮りたいです」