生理にまつわる悩みは、周囲の人にはなかなか相談しにくいもの。でも、不安があるときは一人で抱え込まないことが大切です。思春期外来を担当する産婦人科医の「サッコ先生」こと高橋幸子先生に、読者の高校生からの質問に答えてもらいました。(安永美穂)
月2回までの出血は様子を見て
―高校生からの質問です。「生理が終わってから2週間ぐらいで茶色や薄い赤色の少量の血が出てしまうことがあり、不安です。病院で相談するべきですか?」
1カ月に3回以上の出血がある場合は、婦人科か産婦人科で受診することをおすすめします。この質問をくれた人の場合は、生理も含めて1カ月に2回の出血があるということなので、今の時点では様子を見ているのでも大丈夫です。
生理が終わってから2週間後くらいというのは、ちょうど排卵が起こる時期。毎月このタイミングで出血がみられる場合は「排卵出血」であることが考えられます。排卵出血は2~3日で終わる人もいれば、1週間くらい続く人もいますし、全く起こらない人も。
また、排卵のたびに毎回出血するケースもあれば、たまに出血がみられるケースもあります。いずれの場合も病的なものではないので心配いりません。
経血の色が茶色かったり薄い赤色だったりするのは、経血が腟(ちつ)の中にとどまっている時間の長さの違いによるものです。もともとの血は赤色ですが、出血の量が少ないと腟の中にとどまる時間が長くなって茶色くなることがあります。
排卵の時期以外の出血は病気の可能性
出血が排卵出血であれば治療の必要はないのですが、「毎月、生理以外に出血があるのは不安だから出血を止めたい」と思う場合は、低用量ピルで排卵を止めれば排卵出血も止めることができます。
排卵の時期とは関係なく出血が続く場合は、ポリープや子宮頸(けい)がんなどの病気の疑いもあります。1カ月に3回以上の出血があり、「様子を見ていて大丈夫かな」と不安であれば、一人で悩まずに婦人科で受診してくださいね。
たかはし・さちこ 1975年生まれ。埼玉県出身。産婦人科医。埼玉医科大学医療人育成支援センター・地域医学推進センター所属。同大学病院産婦人科で思春期外来を担当。年間120回以上、全国の小・中・高校などで性教育の講演を実施している。