小中高生がスマートフォン向けのアプリ開発を行い、企画力や技術力を競う「アプリ甲子園2022」(丸井グループ、ライフイズテック主催)の決勝大会が10月に開催された。10組の高校生らがプレゼンテーションを行い、自ら開発したアプリの魅力を多くの人に伝えた。(文・本間愛深=大学生ライター、写真・アプリ甲子園運営事務局提供)
ゲーム感覚で楽しくダイエット
【優勝・総務大臣賞、Cygames賞、DeNA賞】「Sanitas」増田ひなたさん(東京・共立女子高校2年)
自分一人じゃダイエットのモチベーションが保てないけれど、他人に体重は教えたくない……。そんな人にぴったりのアプリ。自分の体重や歩数を公表せず、運動を「努力量」に変換し友だちと共有することで、ダイエットや健康維持に取り組める。
毎日の自己評価、歩数や運動量、目標体重への到達度などをポイント化し、ランキング付けする。タイムライン機能もあり友達のポイント獲得状況も確認できる。
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ポイント獲得状況に応じて背景の色が変化するなど、競争意識が高まるような仕組みにして楽しく継続できるように工夫した。
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前向きに目標達成をサポート
【準優勝】「taffi」大澤清乃さん(神奈川・湘南白百合学園高校2年)
ポジティブな言葉で目標を成功に導く効果「アファメーション」を用いて、目標達成を手助けしてくれるアプリ。
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ネガティブな言葉を書くと、「今の視点(ネガティブな視点)から別の視点(ポジティブな視点)に捉え直す」ことが促される。例えば「30分しか勉強ができなかった」と書くと、「集中して勉強ができたので良い調子」とアプリが提案。自分の立てた目標をポジティブに振り返れる。「友達追加機能」もあり、友達とポジティブに切磋琢磨(せっさたくま)できる仕組みだ。
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よりわかりやすい地震速報を実現
【第3位・技術賞】「EQMonitor」尾上遼太朗さん(神奈川・横浜サイエンスフロンティア高校3年)
「より早く、よりわかりやすく、より正しく地震情報を伝える」ことが目標の地震観測・速報アプリ。日本地図上にリアルタイムに取得したデータがマッピングされるため、地震の揺れを直感的に把握できる。
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音声も使って地震情報を伝え、スマホをすぐに見られない状況などでも役立つ。今後改善を進め、2023年に各アプリストアでの配信を予定している。
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スマホ裏返し勉強時間と質を計測
【モンスターラボ賞】「スタレコ」鈴木葵葉さん(東京・品川女子学院高等部2年)
「iPhoneを裏返す」だけで勉強時間と集中度が計測できるアプリ。アプリ使用中は、画面が物理的に見られなくなるので、勉強中にスマホを見ることの防止にも役立つ。
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心拍変動による集中度合いを計測する機能も搭載。「勉強場所マップ」とも連携できるため、自分の集中できる場所を知るきっかけにもつながる。学習状況は可視化でき、記録を取るのが面倒くさい人も簡単に勉強の振り返りを行える。
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シャワーの節水をもっと手軽に
【HPE賞】「Watey」川口明莉さん、前田優花さん、馬場音和さん、宇枝梨良さん(愛知・名古屋市立八社小学校、名古屋市立鳴海中学校、名古屋市立旗屋小学校、杉並区立桃井第五小学校/CoderDojo瑞穂)
シャワーの節水を、手軽に家族で楽しく続けられるアプリ。AIの音認識機能を使ってシャワーの使用量を計測し、リアルタイムで「水時計」が動く仕組み。
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データを家族同士で共有できるため、「誰がどれくらい節水しているのか」を見ることもできる。節水目標を達成すると海の魚が増える「わくわく機能」も付け、楽しく続けられるよう工夫されている。
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思い出の場所や出来事を「色」で記録
【GMOアドパートナーズ賞】「Share Palette」神林沙希さん(東京・桜蔭高校1年)
自分の撮った写真から3色を抽出して保存することで、「オリジナルのパレット」を作れるアプリ。
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訪れた場所や思い出を「色」とともに思い出せるよう、保存した色はマップ上で見られるようにした。他者とマップ上で色や写真を共有できるようにするなど、幅広い活用法が見込めるように意識した。
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簡単安心なファイル共有
「Open File Trucker」小原悠太さん(N高校2年)
小原さんが開発したこのファイル共有アプリは、ローカルネットワークで完結し、インターネットを経由しないため、高速で安定した送信が可能。オープンソースなため、安全に使える。
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使い方は、ファイルを選択して送信ボタンを押すだけという簡単な操作。スマホ版とパソコン版で表示を変えるなど、どんな端末でも操作しやすいように工夫されている。
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動画に直接コメント挿入
「moviet」香村彩奈さん(東京・広尾学園高校2年)
動画に直接コメントを入れられるアプリ。「動画を使って振り返りを行うこと」に特化しており、スワイプするだけでどのタイミングにコメントを挿入するか、簡単に直感的に指定できる。
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振り付けのアイデアだしやスポーツの動きの分析、プレゼンの練習などで役立つ。今後、共同編集ができるようにしていく予定。
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ランニングの記録を簡単に分析
「Maneasy」山田航輝さん、佐野生樹さん(東京・慶應義塾高校2年)
誰でも簡単にデータ分析ができる、ランニング記録アプリ。日々のランニングの記録を分析し、専門的な改善点を提案してくれる。自分の記録は39通りのグラフで分析でき、それぞれの状況に応じてフィードバック。
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陸上部での経験を活かしてアプリを開発。部活の練習で痛みを感じた時に人体図を使って箇所を把握できるようにしたり、ロール形式で記録を選択できるようにしたりして、記録の手間を省けるように工夫した。
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「体調の共有」と「気持ちの共有」で患者と家族を支える
「medicalogie」冨岡柚月さん(千葉・渋谷教育学園幕張高校1年)
病気で闘う人と、その家族を支えるためのアプリ。家族登録をすることで、体調と気持ちをそれぞれのスマホから共有でき、生活面での負担軽減に役立つ。
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心の記録では、家族も自分の記録をすることができ、手紙や日記機能で気持ちを気軽に共有できる。体調入力はスライダーで入力できるようにし、誰でも簡単に操作がおこなえるよう工夫されている。
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