青木梨衣奈さん、青木大和さん(ともに和歌山・智辯学園和歌山高校1年)は、睡眠時無呼吸症候群の患者向けコルセットを製造・販売するプランを考案。「第12回高校生ビジネスプラン・グランプリ」(日本政策金融公庫主催)に出場した。代表して青木梨衣奈さんに大会出場までの流れを聞いた。
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智辯学園和歌山高校「らくSASコルセット 睡眠時無呼吸症候群で苦しむ人をゼロに」(審査員特別賞)
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の患者向けに、いびき軽減効果があるコルセットを製造・販売し、睡眠不足解消を図るプラン。
SAS改善のために取り入れられている体位療法(患者の体位を変化させることで舌根が気道を塞ぐのを防ぐ)をサポートするコルセットを考えた。
コルセットには、中央部をくり抜いた三角柱上のゴムを接着。ゴムの底面が背中の丸みに合うように形状を変化し、刺激を与えずに自然と横向き寝の姿勢で寝返りを打てる。試作品は完成している。

父のいびきがうるさくて…
―大会に出場したきっかけは?
自主的に大会の情報を見つけて参加しました。
―どうやってアイデアを思いつきましたか?
私と大和君には、「父のいびきがうるさい」という共通点があります。私は、父と旅行先などで一緒に寝るのが苦痛でした。「私たちと同じような悩みを抱えている人が多くいるのではないか」と考えたのがきっかけで、いびき改善について調べ始めました。
企業にアポしミーティング、30社が協力
―ビジネスプランを構築するまでのプロセスを教えてください。
実際に患者が困っていることやニーズを知りたく、患者、医師にヒアリングに行いました。加えて、睡眠時無呼吸症候群や睡眠のメカニズムなどを詳しく知るために、企業にアポをとり、ミーティングを行いました。
多数の企業にメールを送る中で、なかなか協力が得られなかったり、そもそも返信が来なかったりと大変でした。ですが、諦めずに頑張っていると、30社が協力してくれました。
「生の声」からニーズを把握
―アイデアはどうやってブラッシュアップしましたか?
まずは問題を見い出し、ヒアリングを通して得た「生の声」から課題を絞って、ニーズにあった解決策を提案しました。コルセットの試作品を作るも、なかなかいいものにならず、何回も何回も作り直しました。
たくさんの方々に応援したいと思っていただけるように、期待を超えていけるように努力しました。試行錯誤した結果、コルセットを完成させられました。今後は商品化を目指し、改良を重ねる予定です。
―プレゼンでは何を工夫しましたか?
さらに、プレゼンは聞いてくださっているたくさんの方々にワクワクを届けられるようにしようと心がけていました。
「小さな疑問」に目を向けて
―読者の高校生に向けてゼロからアイデアを生み出すコツや、オリジナリティーあふれる発想をするためのアドバイスをお願いします。
実際に何で困っているのか、当事者の生の声を大切にしてください。常にいろいろなことに興味を持ち、日常の小さな疑問に目を向けることで、その向こうにあるたくさんの「ワクワク」が見えてきます。