玉名工業高校(熊本)の高校生女子グループは、軽量素材を使ったフライパンを製造・販売するビジネスプランを考案。高校生らが新規事業のアイデアで競う「第12回高校生ビジネスプラン・グランプリ」(日本政策金融公庫主催)に出場した。代表して久保田菜月さん(2年)に大会出場までの流れを聞いた。

玉名工業高校「熊本から世界へ工業女子が伝える新材料の魅力」(審査員特別賞)

熊本大学が開発した軽量材料「KUMADAIマルチ機能マグネシウム合金」を活用し、高性能フライパンを「KuMy(くまい)パン」を製造・販売するプラン。お年寄りや小さな子供、妊婦、手や腕に障害を持つ人など、誰もが使いやすい「軽さ」に特化したことが特徴。

軽量素材で「軽いフライパン」を作りたい

―大会に出場したきっかけは?

学校の先生にすすめられて、課外活動として参加しました。

―どうやってアイデアを思いつきましたか?

高校生になってから料理をする機会が増え、フライパンが重いと感じました。加えて、身近な熊本大学が開発したすばらしい軽量材料があるのに、あまり使われていないと知りました。この材料で作ったフライパン製品を機に、軽い材料を世界に広め、身近な材料として普及させたいと思いました。

「高校生ビジネスプラン・グランプリ」の最終審査会でプレゼンするメンバー(主催者提供)

大学や企業を交えてディスカッション

―ビジネスプランを構築するまでのプロセスを教えてください。 

私たちの考えたビジネスが本当に実現できるのか、金銭面はどう考えたらいいのかなどが分かりませんでした。そのため熊本大学と軽金属製品の製造販売を行う不二ライトメタル、日本政策金融公庫と合同会議を開催してディスカッション。会議後も何度もメールや電話で問い合わせ、製造方法から収支の考え方までしっかりアドバイスをもらいました。

アナウンサーからプレゼン指導

―プレゼンテーションの力はどう磨きましたか?

人前でプレゼンするのは初めてでした。はじめはどこを強調し、どのようにすればはっきりと伝わるのか、相手に伝わりやすくなるのか、きれいに見えるかが分からず、悩みました。

そこでRKK熊本放送にお邪魔し、アナウンサーの方々に立ち方から話し方まで詳しく教えていただきました。その成果もあり、短時間の練習でしっかりと分かりやすく伝えられたと思います。

「身近な不便」を見つけてみよう

―ゼロからアイデアを生み出すコツを教えてください。

まずは自分の周りを見て、身近な不便を見つけていくことが大切です。不便を解決するために、どうやって地域、社会、そして日本を巻き込んでいくかをさまざまな視点から考えるといいと思います。

自分が考えるプランと似ているものが既にある場合、既存のものとの差別化を考えるのが大切です。レベルアップを図るためにも、協力してくれる人を見つけるのも一つの手段だと思います。誰もが目をひき付けるようなそんな魅力を考えてみましょう。