フィリピン人の両親を持つ私は、日本で生まれ育ち、小学校の時に家族で日本国籍を取得しました。小学校のころからいじめにあい、今も傷は癒えないままです。差別やいじめのない社会にしたい。そんな思いで立ち上がった私の経験をお話しします。 (yuunyan=3年)
バイ菌扱い、暴言…つらい日々
小学校4・5年生の時に通った学習塾では、同級生の間で唯一の外国人である私がいじめの標的となって、バイ菌扱い。先生方はいじめを止めましたが、二度と起こらない対策をとってはくれませんでした。
5年生で転校した小学校では、「ゴリラ」と呼ばれ人間としての存在を否定されました。「汚い」「近づくな」「デブ」などの暴言も散々言われました。私の姓はカタカナ表記ですが、それを使って変なあだ名をつけられたこともあります。
「黒人」だから「日焼けしない」「嫌われる」「何もいいことない」などと差別されたり、お金を払わされたりすることなどもありました。中学受験に失敗した私は、いじめが解決しないまま学区内の市立中学校に行くことになりました。
先生から「日本語通じるか?」と暴言
中学進学後、同級生からだけでなく、数人の先輩からもいじめられました。私をいじめた私をいじめた主犯格は、両親が日本人と外国人であるバスケ部員。ルーツを揶揄されることの痛みや苦しみをわかるはずなのに、「外国人はみんな日本語が下手」という偏見を押し付けつつ、私の言動をコントロールするような行為などをし、私は1年で辞めざるを得ませんでした。先生にも報告はしましたが、やはり完全に解決せず、ほかにも嫌がらせをたくさん受けました。
先生方からも暴言を受けました。ある時、気を抜いてしまい先生の指示に遅く反応した私に、「日本語通じるのか?」と。日本語がわかる私にとって、相手を殴るような暴言です。傷が深いまま中学校を卒業しました。
高校でのいじめはないですが、同級生から嫌なことをされる時もあります。今でも中学校以前のネガティブな記憶がフラッシュバックしてしまいます。
いじめや差別がない日本に変えたい
高校の先生から「みんな、あなたの反応を面白がってると思うよ。過剰反応(overreact)しないよう自分をコントロールしてみたら?」とアドバイスをいただきました。他人の行動はコントロールできなくても、自分自身はコントロールできることを意識し始めました。
いじめた人々だけでなく、学校などもずっと恨んでいます。依然心の傷が治りません。ですが、私にできることはあります。来年設置されるこども家庭庁に関わるシンポジウム2つに登壇しました。そこで、「いじめと差別をなくす」ことを期待して、こども家庭庁はどうあるべきかを自分の体験とともに発言しました。
「みんなの考えが変わるきっかけをつくるのは、私以外に誰がいるのだろう?」。そんな思いで、次世代の子どもたちが被害にあわないために、日本を変えようとしています。
塾で私をいじめた主犯格は日本人と外国人の両親を持つ人でした。もしかすると、いじめられた経験があったのかもしれません。彼らもいじめや差別から守られなければなりません。日本人、日本と外国にルーツがある人、外国人関係なく、日本で安心して過ごせる社会になっていくことを祈っています。
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