人種差別といえば何を想像しますか? 日本に住んでいると、自分自身が人種差別のターゲットにされることについてイメージがわきにくいと思います。私は今カナダに留学しています。移民に寛容な国ですが、それでも人種差別的な扱いを受けました。(高校生記者・minota=2年)

留学中にアジア人差別を受け

日本にいて「アジア人だから」という理由で差別を受けることはないのではないでしょうか。だって、日本は人口の90%以上がアジア人の国。「マジョリティー」ですから。しかし、欧米の国々にはアジア人に対する差別は少なからず存在します。

留学中のカナダ。ダウンタウンという、バンクーバーの中心地

私が留学中のカナダは、移民に対して寛容で親切な国。ですが、アジア人差別を経験したことはあります。例えば、私を見るなりあからさまに嫌な顔をされることがありました。混雑したバスの車内にも関わらず、何がなんでも私の隣の席に座らないことも。どれも小さなことかもしれませんが、気分の良いものではないのは確かです。

「国に帰れ」と暴言、唾を吐かれ

私やアメリカに住む友人が経験したり目撃したひどい例でいうと、新型コロナウイルスがはやり始めた当初「国に帰れ」などと言われたり、目の前で唾を吐かれたりしたことなどです。ネイティブの方が多く暮らす地域はそのような傾向があるように感じます。特にアメリカなどでは「チャイニーズウイルス」などのトランプ前大統領の発言により、アジア人に対するレイシズムが活発になったと報道で聞きました。

こうしたあからさまな差別ではないですが、「日本人だからこうである」と勝手に決めつけられ、会話されることがあります。例えば、日本人と伝えると「空手はできるの?」、アニメ好きなどと伝えていなくても「どのアニメが好き?」と聞かれるなどです。 

身の回りの差別を改めて考えてみてほしい

無意識に決めつける発言は「マイクロアグレッション」と言われ、相手を不快にすることがあります。こうした無意識の差別は、皆さんも気づかずにしてしまっているかもしれません。日本に住んでいるからといって、人種差別問題は無関係ではないと感じます。私の経験が、身の回りに存在する差別について考えるきっかけになればうれしいです。