中学時代は体力に自信があったのに、高校入学後に体力がなくなったことに悩んでいました。「急に長時間走れなくなった」「階段を上るだけで息が上がる」……運動が向いていないのでなく、ある病気のせいだったのです。 (高校生記者・Tim=2年)

ちょっと走っただけですぐに息切れ

中学でバスケットボールを始めた私は、1ゲーム(8分×4クオーター)を走り切れるほどの体力がついていました。

受験で運動は中断していましたが、高校入学後、「またバスケがしたい」とバスケ部に入部。部員が少なかったため、私は入部して間もなく夏季大会に途中出場しました。

中学生のときは30分以上の試合も走り切れた(写真はイメージ)

しかし、すぐに息切れして足が重くなり、「受験の際の1年のブランクで体力がなくなっている」と気づきました。その後、体力をつけようと頑張って食らいついていましたが、夏休みになり活動量が増えていくと、徐々に体調がおかしくなっていきました。

立つたびに立ちくらみがして、ちょっと走ったり階段を上ったりしただけで心臓はバクバク。体が重くなり思うように動かなくなりました。段々と、「私は運動に向いていないタイプなのだ」と思い、自信をなくしました。

先生の一言で病院に、血液検査で分かった重度の貧血

3学期になり、体育の授業で5キロ走ることに。授業では毎回「走り切ること」を目標に最後尾でゆっくり走り、私のすぐ後ろで自転車に乗った先生が鼓舞している状態でした。

そしてある時、先生は私に走りながら言いました。「○○さんはバスケ部だよね、体力がないね」。認めながらも悔しい気持ちでしたが、先生は続けて「たくさん走っているのに走れないっていうのは貧血の可能性があるから、一回血液検査を受けてみなさい」と一言。私はその時にやっと貧血かもしれないと気がつきました。

私は病院へ行って血液検査をしてもらい、重度の鉄欠乏性貧血と診断。あと少し放っておけば、輸血が必要なレベルの貧血だったそうです。

身体の変調は見逃さないで

私はこの経験から、多くの人に伝えたいことがあります。それは、「体に変化や違和感があったら、すぐに病院へ行ってほしい」ということです。前よりも疲れやすい、最近すぐ眠くなるなど、ささいな変化でもいいと思います。病院で確かめることが大事です。

軽やかに動けるようになった現在の私

私が診断された鉄欠乏性貧血は、思春期(特にたくさん運動している学生)に多いとされています。私は現在も治療中ですが、体力も戻り、体がとても軽く走れていることに感動し、感謝しながら部活動に励んでいます。