勉強に友達付き合いに、部活…忙しい高校生活は、悩みもつきません。「心がつらい、苦しい」と感じること、ありますよね。臨床心理士でスクールカウンセラーの大倉智徳さんに、読者の高校生からLINE公式アカウント「高校生新聞編集部」に寄せられた悩みに答えてもらいました。
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【お悩み】内気な性格で人と話すのが苦手…
人と話すのが苦手です。小学校の頃から内気な性格で、なかなか自分から話せません。
中学、高校と上がるにつれ、だんだん話せるようになってきましたが、話を振られないと自分からはしゃべらない……というか、話せません。
2人のときは自分から話題を振るなど、割と普通に話せるのですが、相づちを打つのが下手です。3人以上とか、人数が増えれば増えるほど、ただ話を聞いたり笑ったりするだけで、話に入ることはありません。なぜか分からないけど話に入れなくてずっと悩んでいます。
過去に、全然しゃべらないことが原因で仲間外れにされたこともありました。話に入れる方法、自然にしゃべれるようになる方法を知りたいです。よろしくお願いいたします。(高校2年女子=マルゲリータ)
元々人と話すのが苦手だと、人の輪の中で話すことは難しく感じますよね。自然に話に入れるようになるには、コツと練習が必要かな?と思いました。どうするといいか、一緒に考えてみましょう。
まずは2人の会話から練習しよう
マルゲリータさんのお話で「相づちを打つのが下手」とありましたが、どんな様子なのでしょうか。もしかして、「相手の話すペースに合わせるのが苦手なのかな?」と思いました。
もし2人の会話でそうなのであれば、それ以上の人が会話に加わると、テンポがよく変化する可能性が高くなり、ペースを合わせること、話に入ることがより難しくなるのではないかと思います。
まず試してほしいことは、2人で会話をするときに「できるだけ相手が話しやすそうなペース」で相づちを打つことを、日頃から心がけることです。相手のペースにうまく合わせられるようになると、自分が話に入りやすいタイミングも見つかります。2人の会話でそれができるようになったら、3人、4人と人数が増えた場でも試してほしいと思います。
「質問」は会話に入るチャンス
話の入り方の一つに、「質問する」という方法もありますよね? 質問すると話している人はあなたに意識が向くので、それに合わせて自分が話すチャンスも増えます。
それが何回か繰り返されると、その場にいる人はあなたを「話題に興味がある人」とか「会話に入りたい人」と意識するようになります。そうなると、あなたが多少ゆっくりのペースで話に入ったとしても、相手は待ってくれる可能性が高くなります。
話を聞いているときは、ひとつ質問するぐらいのつもりでいると、話に入るチャンスは得られます。
自分のペースで友達との関係づくりを
最後に大切だと思うのは、おのおのの友達との関係作りだと思います。マルゲリータさんのペースでまずは友達と1対1で関わって、自分のペースで話して、その人が好きなことを知り、あなたのことを知ってもらい、「共通の話題を見つけたりして楽しく話ができる関係作り」を心掛けてもらうといいと思います。
積極的に相手に関心を向けて、一人一人と会話ができて、関係作りができれば、輪になって話をしていたときは、その人たちが話題に入れてくれると思います。
マルゲリータさんのペースで人の輪を広げることは、無理せずに話に入る方法だと思います。まずは1対1のいい関係を心がけてみてください。応援しています!
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大倉智徳さん
おおくら・とものり 2002年からさまざまな公立高校でスクールカウンセラーを務める。現在は、小中学校などにも勤務