話題作への出演を重ね、存在感を発揮する俳優の鈴鹿央士さんに高校生記者がインタビュー。「勉強と趣味の両立ができない」「モチベーションがあがらない」といった高校生の等身大の悩みに鈴鹿さんが答えてくれました。(取材・余澤愛=高校生記者、構成・中田宗孝、写真・西村満)
やりたいことは3秒以内に行動
―読者の高校生から鈴鹿さんに質問が寄せられました。「趣味に没頭してしまい、勉強に集中できないことがよくあります。鈴鹿さんは、仕事と趣味を両立させるために何を心掛けていますか?」
僕は本来マイペースな性格もあって、やるべきことが分かっていてもグダっとしてしまうんです。
そんな自分なのを分かっているからこそ、何かやりたいと思ったら3秒以内に行動しようと決めています。台本を覚える、ゲームしよう、洗い物しなきゃ……。そうと決めたら、まず「3、2、1…」と心の中で数えて行動に移すんです。それを繰り返して、自分が行動するときの決めごととして習慣化されていくようにしています。
受験も恋も両立できる
―次の質問です。「何か問題が起こって行き詰まったり、思うような結果が出ずにモチベーションが下がったり。そんなとき、鈴鹿さんはどのように対処して、次につなげていますか?」
まずは一度そのことから離れて、まったく別のことをします。リフレッシュの時間を作って、自分の気分がのるまで待つんです。そして、気分がのったらまた取り掛かる。
ですが、時間や期日に迫られていることもあります。そんな状況のときは、自己の“責任感”や“罪悪感”を奮い立たせるしなかない! 「課題をやらないと本当にまずいな」って……!
―続いては、「受験生になると、勉強に集中しなければいけないですよね。でもお付き合いしている人がいる場合、恋愛は邪魔になると思いますか?」
恋をしているから受験も頑張れるし、僕も恋愛を勉強や仕事の原動力にしている方たちを見てきました。受験生が恋愛してもきっと大丈夫です。
もし、受験勉強と恋愛の両立が面倒になってしまったり、2人の距離が離れてしまったりするのであれば、それは別れる運命だったのかも知れません。お互いを思いあえる恋人同士なら、きっと受験と恋愛の両立ができると思います。
作りこまない声でアフレコ挑戦
―劇場アニメ「夏へのトンネル、さよならの出口」では、心に傷を抱えている高校生の声を担当していますね。
監督からは「高校生だけど大人っぽく」と伝えられていました。僕の演じたカオル君は、過去のトラウマから気持ちがふさぎ込んでいて、性格的にもハキハキとしゃべる人ではありません。
そんなキャラクターに合うように、落ち着きを払った声のトーンというか、“ロー”な感じの声を意識して発しました。「声を作り込まずに生っぽい感じで」とも言われていたので、僕自身の普段の声で演技しながら収録したんです。
―アフレコ中に難しさを感じた声の演技はありましたか。
アフレコでは録音マイクが自分の口元の近くにあるのですが、アニメーションの中のキャラクターは話し相手との距離が遠くに離れていることがありました。録音マイクが近いせいもあって、映像の中の距離感がうまくつかめず、助言をいただいたんです。「マイクに向かってせりふを言うのではなく、マイクより少し先を意識してしゃべってみる」、と。
すると、声の出し方が遠くに向かって話しているように変わるんです。役者をやっているときは意識したことのない、すごく新鮮なアフレコ体験でした。
鈴鹿央士さんのサイン色紙を1人にプレゼント!
高校生新聞編集部LINE公式アカウントとお友達になってから、「鈴鹿さん色紙希望」と明記の上、「学校名・学年・性別・記事の感想」をメッセージに書いて送ってね。応募資格は高校生・中学生に限ります。10月31日締切。当選者には編集部からメッセージでお知らせします。
- すずか・おうじ
- 2000年1月11日生まれ。岡山県出身。19年、俳優デビュー作「蜜蜂と遠雷」にして映画初主演を果たす。主な出演作は、ドラマ「ドラゴン桜 第2シリーズ」、「六本木クラス」、映画「かそけきサンカヨウ」、「バイオレンスアクション」など。男性ファッション誌「MEN'S NON-NO」の専属モデルとしても活動する。
「夏へのトンネル、さよならの出口」
八目迷の同名青春小説をアニメ化。高校2年生の塔野カオル(声:鈴鹿央士)は、幼い頃の心の傷を抱えながら学校生活を過ごしていた。ある日彼は、願いをかなえるとうわさされていた「ウラシマトンネル」を偶然発見する。カオルと同じクラスに転校してきた花城あんず(声:飯豊まりえ)もトンネルの存在に気がついた。カオルはあんずから、トンネル調査のために協力関係を結ぼうと提案される。配給:ポニーキャニオン。9月9日(金)から全国公開。
(C)2022 八目迷・小学館/映画『夏へのトンネル、さよならの出口』製作委員会