高校の選び方は人それぞれ。家からの距離、進学実績、部活動など、学校を選ぶにはさまざまなポイントがありますよね。今回は、「通信制高校」について、全日制から通信制に転校した私が紹介したいと思います。(高校生記者・ころあ=2年)

高校の受験戦略と合わず…

私は通信制高校の2年生。もともとは全日制に通っていました。通っていた全日制高校の受験戦略が自分に合わなかったことが大きな要因です。

希望する進路に合わせて通信制を選んだ

高校には、国立・私立など「生徒に合格してほしい大学」と、一般入試・指定校推薦・総合型選抜(AO)など「使ってほしい受験方法」などの受験戦略があります。担任との面談の中で、高校入学後に決めた理想の進路と、学校の受験戦略にギャップがあると気づきました。周りは指定校推薦やAOで私大進学を目指している人が多かったため、私が目指している国立大学は志望しにくい環境でした。

「私の志望する4年制大学への進学は、現在の全日制高校にいるとかなえられないのでは…」と思い、転校を決意。ですが、私は全日制高校に進んだことが間違っていたとは思っていません。しっかりと自分の進路に向き合うきっかけを作ってくれたのは、全日制の担任だったからです。

その後は、「課外活動を通じて進路を決定していきたい」という思いに加え、進学実績や先生の親切さなどを考えながら、今通っている通信制高校を選びました。実際に通い出してみて、自分が重点を置いている活動ができて満足しています。

自分に合ったペースで通学できる

通信制高校にもさまざまなものがあります。週3日ほど通学するコースもあれば、1年に10回ほどしか登校しないようなコースもあります。

私の高校では、月に2回ほどのレポート提出と、年に1~2回のテストがあります。通学日数は、月1~2回から週2回程度と幅があります。自分の生活リズムや希望する進路に合わせて選ぶことができます。

自宅学習で使用している道具。タイマーは試験対策用。本番と同じ時間で練習する

「4年制大学にはなかなか進めないのでは?」と思われる方も多いと思います。しかし現在私が在籍している通信制高校では、国立大学合格者もいます。音大や芸大、専門学校から就職まで、さまざまな進路を実現してくれるのが特徴です。

部活や修学旅行などがある高校や、制服着用ができる高校もありますし、逆にそれらがない高校もあります。さまざまな特徴を持った高校があるため、全日制より自分の理想に合った高校選びができます。

通信制では、平日に習い事をしている人、仕事をしている人など、本当にさまざまな人と出会えます。全日制の頃は、みんなが4年制大学合格を目指していたので、新鮮な体験でした。自分とは違う価値観の人と関わるのは楽しく、新しい発見がたくさんあります。

自己管理できる人でないと大変

ここまで通信制高校の良いところについて説明してきましたが、転校当初は生活リズムが崩れてしまったり、勉強がうまくいかず悩んだりすることも多くありました。「時間が多くある」ことは魅力的に思われますが、実際は自己管理能力が求められ大変です。

現在高校選びをしている中学生には、進学実績だけでなく、どんな受験方法で進学する生徒が多いのかも見比べてほしいです。全日制と通信制のどちらを選ぶか悩んでいる人は、「自由度の高い生活を手に入れたときに、目標の進路に向けて計画的に努力できるか」を考えてみてください!