買い物をするとき、「これは良い商品(店)だ」と判断する基準はなんだろう? 私の周りの大学生はみな「レビュー」を重視し、徹底的に吟味しているようだ。共通するのは「絶対失敗したくない」という強い意志。大学生女子に3人に取材し、どのように買い物行動をするのか聞いた。(色=大学2年)

「絶対良い」確信持つまで買わない

「事前に情報を集めてから買うもの」として、今回取材した大学生全員が真っ先に挙げたのが、コスメ(化粧品)だった。

コスメは価格の幅が広いため、皆、下調べを入念にしているよう。例えばファンデーション一つとっても、プチプラと呼ばれるものは700円台から、デパコスには1万円を超える商品もある。

AさんがYouTubeのレビューを参考に購入したリップとフェイスパウダー

下調べの方法はさまざま。YouTuberのレビューを参考にするというAさん(大学3年女子)。「私はよくYouTuberがおすすめしていたり、『これは良い!』と断言したりしているものを買います。コスメは使わないと分からない割には、何個も買って試せないので、候補を絞らないとお金がもちません(笑)。失敗したくないので、絶対いいぞって確信持てないと買えないです」

YouTubeにはメイクの方法を伝える動画以外にも、長時間使用後の崩れ具合を検証した動画、リップやアイシャドウの色味を紹介する動画など、買い物の判断材料となるものが数多くアップロードされている。

「欲しいものがあれば、まず動画を見て、良さそうなものをリストアップ。それから店頭で見ると、迷わなくて済みます」(Aさん)

公式サイトよりSNSを信頼

一方、Bさん(大学4年女子)は、コスメの口コミサイトやアプリで「自分と肌のタイプが近い人のレビューを参考にする」と話す。

コスメの口コミサイトには自分の特性を登録することができ、自分と似ている人のレビューを見つけやすい。Bさんのプロフィール画面

また、カラコン(カラーコンタクトレンズ)を購入する際は、公式サイトの情報よりもSNSでのレビューを信用しているという。

「広告は色味などが加工されていると感じるから、微妙な色の違いが大事なカラコンについてはあまり参考にならないと感じる。あと日光に当たったときの色も知りたいから、友達の使用感や一般の人のSNSの投稿のほうを信用している」(Bさん)

コンビニスイーツはぜいたく品

「食」に関しても事前に調べるというCさん(大学2年女子)。「1人暮らしになってから、コンビニスイーツでさえもぜいたく品になったので、結構調べます(笑)。失敗できないので」

Cさんは「スイーツを食べたい」と思ったら、コンビニ名をハッシュタグで検索し、食べたい気分に合う商品を探すそう。「例えばシュークリームのレビューなら断面の写真が載っていたりします。どれくらいクリームが入っているか、カスタードなのか、ホイップクリームよりのクリームなのかを確認して、自分の好みに合うか事前に考えます」(Cさん)

コンビニスイーツに関連したハッシュタグはさまざまなものがある

実際に、大手コンビニ3社のハッシュタグが付いているインスタグラムの投稿の合計は800万件を上回っており、情報の充実度が伺える。

お店の事前チェックで作戦会議

また、気になるレストランやカフェの店名をハッシュタグで検索する、という声もあった。

「気になるカフェをハッシュタグで検索して調べます。お店のメニューにはすべての料理の写真が載っていないこともあります。ですが人気のお店であれば、料理やドリンク、内観が豊富に投稿されていることもあるので、友達とシェアして一緒に決めたりしています」(Bさん)

SNSの情報を参考にする一方で、こんな意見もあった。「先日、旅行先のレストランを事前に調べていたのですが、そこまでレビューに重きを置きませんでした。お店の評価が悪かったとしても、食は好みだと思うので、自分が食べたいと思ったかを重視しました」(Cさん)

皆が共通して思っていることは「失敗したくない」ということ。情報収集は、よりよく買い物をするために欠かせないことのようだ。

SNS上での評価だけを頼りにしないようにしている人も見られた。情報はあくまで参考にとどめ、自分なりの基準を持つことが納得できる買い物につながるのではないだろうか。