私の家は母子家庭で、周りに比べて貧しい環境で育ったと思います。母子家庭と聞いて多くの人が想像するのは「お父さんがいなくてかわいそう」などのマイナスイメージです。しかし、私はその環境で得たものもあります。(すい=2年)

昼・夜・休日も働き続ける母

今まで大変だったこともたくさんありましたが、「良かったな」と思う面もいくつかあります。まずは母親への感謝です。

母に買ってもらったぬいぐるみ

私が幼いころ、母はいつも夜遅くまで仕事をしていましたし、休日でも働いていました。今でこそ母は個人事業主になり、時間とお金に余裕ができましたが、昔は昼も夜もなく、ずっと働いていました。

しかし母は、私を普通の家庭と同じように育ててくれました。習い事もやりたいと言えばさせてもらえたし、「他の子が経験していることを経験できないのはかわいそう」と、旅行にも毎年連れて行ってくれました。不自由だと感じたことは一度もありませんでした。

もちろん今思えば、どれだけそれが大変だったか分かるのですが、当時の私はそれに気づいていませんでした。それほど母が「貧しい」と感じさせないように育ててくれたのだと思います。本当に感謝しかありません。

お金も時間も無駄にしない

そんな中で育ってきたので「無駄にしない」意識を持つようになったことも良かったと思うことの一つです。

旅行にも毎年連れていってもらった

成長して母の苦労を何となく察するようになると、「何かを無駄にしないように」と行動するようになりました。お金だけでなく「時間も無駄にしないようにしよう」と考えて行動するようになったので、全体的に作業効率が上がりました。

学校でも「学費を払ってもらっている」という意識を持ちながら生活すると、授業もきちんと聞くようになります。授業内の時間で内容が理解できると、自分で勉強する際にいちいち振り返りをする手間が省けます。

さらに時間の節約のために、登校時間や授業中に少し空いた時間も勉強に使うようになったので、自由な時間を確保しつつ勉強もできるようになりました。

日常のありがたみに気づいた幸せ

もちろん良いことだけではありませんでしたが、多くの同世代の人が気づいていない「日常へのありがたみ」に気づいているという点では、私が育った環境も悪くないと思います。

たとえ恵まれない環境にいたとしても、その環境を生かして自分の力に変えることができると、普段の生活がとても豊かになりますよ!