春に初めてのアルバイトを探す人は多いのでは。大学生に人気のアルバイトの体験談を取材し、やりがいやデメリットを聞いた。(たると・大学1年)

【飲食店スタッフ】賄いがモチベ、シフト調整が大変…?

大学生定番のバイトと言えば飲食店のスタッフ。業務内容は大きく分けて、調理や盛り付けをする「キッチン」、お客さんに直接サービスを行う「ホール」の2つ。

ファミリーレストラン、ファストフード店、居酒屋など、さまざまな形態があるため、自分の働くスタイルや自宅から店舗までの距離など、様々な条件を設定して勤務先を選ぶことができる。

学生アルバイトも多い飲食スタッフ(写真はイメージ)

都内の高級焼き肉店で働く大学1年生のAさんは「飲食店で働く魅力は、他の学校に通う学生との人間関係を築けること」と話す。「普段は巡り合えないような学生と出会い、自分の世界が広がる感覚があるのが楽しい。お客さんにお出しするような料理を賄いとして食べられるのもモチベーションです」

一方でこんなデメリットも。「ただ、バイトの人数が少なくシフトの調整のしにくさや、仕事量は多いのに対して賃金が安いことは少し気になる……。でも、お客さんとのコミュニケーションをとりながら日々楽しく働けるのでおすすめしたいです」

【塾講師】コミュ力UP、服務規定が厳しい

塾講師も大学生バイトの定番だ。卒塾・大学進学のタイミングで、バイトの勧誘が来た学生も多い。

話を聞いたのは、塾講師として中学生を教えて1年になる大学1年生のBさん。「塾講師は何よりもコミュニケーション能力をつけられます。多くの生徒とかかわって、人に伝わりやすい話し方を身につけられ、今の中学生のリアルを捉えられるのは塾講師ならではです」

塾講師の持ち物。右上に写っているのはペンケース

信頼関係を築くために、授業内外で勉強のこと以外にも、積極的に会話しているという。

「デメリットは服務規程が厳しいこと。スーツの着用の義務付けや、髪染め・ネイルの禁止など、大学生ならではの自由なおしゃれはしにくいと思います。学校終わりにすぐバイトが始まるという日は、大学の講義もスーツで受けるので不便です」

【販売】客の喜びを実感、覚えることが多い

続いては、販売の仕事。アパレル、雑貨店など、業種は多岐にわたる。

販売のアルバイトをしている大学2年生のCさんは「自分の好きな商品に囲まれながら、店員として働けるということが何よりのやりがい」だと話す。「お客様と趣味が合うことも多く、話がはずんで仲良くなれて、喜んでいただけることが実感できます」

好きな商品に囲まれて仕事ができる(写真はイメージ)

「覚えることが多く、大変。でも、従業員用の割引を使えたりして、実生活に還元が多いことも楽しみながら仕事ができる理由になっています」

【アミューズメント施設】笑顔を引き出せると嬉しい、天候に左右される

最後は、楽しそうと人気が高いアミューズメント施設での業務。非日常的な空間で働けるので、興味のある学生も多いのでは。

遊園地で働く大学1年生のDさんは「まず何よりも魅力的なのは、お客さんに『楽しい』『ワクワク感』を提供できるということ」と話す。「自分の接客でお客さんの笑顔を引き出せることの達成感は大きなやりがいになります」

アミューズメント系のバイトの持ち物。イヤホンは無線をとるときに使う

デメリットは、屋外の施設の場合、天候によって業務が左右されやすいことだという。「悪天候による客足の少なささ、雨天によるアトラクションの運休で、勤務当日にバイトがなくなってしまうということもありました」

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多様な選択肢があるバイト選び。労働環境や、職場の雰囲気、自分の性格にあっているか……など、さまざまな視点から、ぜひ自分自身も楽しむことのできる仕事を探してみてほしい。