生理が止まった、量が多い、痛みがつらい…女性が抱えるさまざまな生理のトラブル。誰にも相談できないでいる10代も少なくない。石川加那さん(香川・高松高校1年)は、そんな問題をアプリで解決するビジネスプランを考案した。(文・写真 中田宗孝)

アプリで生理の悩み相談を

生理に関する悩みを女性自らがタブー視して、周囲に相談できずに抱え込んでしまうケースがある。中高生の女子生徒は、特にその傾向が強いとされる。

石川加那さん(香川・高松高校1年)は、ビジネスプラン「Make happy week~自分を好きになる一週間~」を考案。生理の悩みを医師やカウンセラーにオンラインで相談できる、若年層に向けた生理に特化したアプリを提案した。

石川さんはプレゼンで「生理に悩む一週間が自分を好きになる一週間となるようにしたい」と、ビジネスに込めた思いを語った

気軽に生理用品購入、専門家に相談

このアプリから生理用品を購入できたり、生理の正しい知識や最新情報を発信したりと、ポータルサイトとしての役割を果たす構想も発表。「フェムテック(FemaleとTechnologyを掛けあわせた造語。女性特有の生理や妊娠での不安をテクノロジーによって解決する製品やサービスを指す)」を取り入れたのが、注目すべき点だ。

石川さんは「アプリ内では店頭に並ぶことの少ない、最新のフェムテック商品を購入できるようにします。自分に適した生理用品を購入でき、生理の悩みを誰にも知られずに専門家に相談もできます」と、サービスの強みをアピールした。

利益の一部を寄付、生理の貧困を救え

生活苦や虐待、生理への無理解などで生理用品が利用できない「生理の貧困」が問題になっている。アプリでの利益の一部で、経済的に苦しむ人へ生理用品の寄付を行う。また、アプリの運営費は、生理用品の販売メーカーからの販売手数料、広告・スポンサー料、同アプリの趣旨に賛同した企業・ユーザーからの寄付でまかなうという。

活動資金の支援に協力した企業側には、商品を使用した中高生のクチコミ情報を提供する。「このアイデアは、(衛生用品の大手メーカー)ユニ・チャームさんにとお話させていただく中で、自信を深めることができたんです」

準グランプリを獲得した石川さん(右)。「生理に関するアンケートに本音で回答してくれたクラスメート全員に感謝を伝えたいです」

生理について臆せず意見できる社会に

石川さんは1月、高校生たちが考案したビジネスプランを競う「第9回高校生ビジネスプラン・グランプリ」(日本政策金融公庫主催、東京大学本郷キャンパス開催)の最終審査会で発表し、準グランプリを受賞した。

「生理に関する情報の貧困、他者との共感の貧困が、生理にまつわるさまざまな問題を根深いものにしていると考えます。生理がある人もない人も、臆することなく意見を発信できる社会になってほしい」