宮﨑湖心さん(大分・大分豊府高校3年)の美術作品「覚醒」を紹介します。起きられない朝の自身の様子をユーモラスに描いたこの作品は、全国高校総合文化祭(紀の国わかやま総文2021)の美術・工芸部門に出展されました。どのように制作したのか聞きました。

覚醒(第45回全国高等学校総合文化祭 紀の国わかやま総文2021 美術・工芸部門出展)

朝、妖精に起こしてもらえたら

―作品のテーマを教えてください。

テーマは「起きられない朝」です。自分は早起きが苦手で毎朝なかなか起きられないので、かわいい精霊たちが起こしてくれたらいいなと思ったため、このテーマにしました。

どこにでもある朝の様子に「妖精」という非現実的な存在を取り入れることで、どこか不思議で面白い日常を演出しました。かわいい見た目とは裏腹に残酷な起こし方をしている妖精たちや、その妖精たちに好き勝手されている私の表情に注目してほしいです。

制作途中。細部にこだわり、より生き生きと見えるよう仕上げた

鏡で自分見つめて細かく描写

―こだわったり、工夫したりしたポイントは?

むちゃくちゃにされている私の顔が一番に目に飛び込んでくるように、周囲を暗くしたり、青色などの遠くに見える色でまとめたりしました。漫画が開きっぱなしになっているところから、夜更かししてそのまま寝落ちしてしまったことが想像できるように小物の描写にもこだわりました。

他にも、より人間を生き生きと表現するために、髪の毛は締め切り日のギリギリまで粘って細かく描きこみました。

―何が難しかったですか?

「妖精」という異物を現実の風景の中に入れようとしたとき、人間や小物にリアリティーがないとその面白さが出なくなってしまうため、より繊細な描写をする必要があったことに苦労しました。

人間の毛はもちろん、目の中の毛細血管などにも気を配って、時には自分の目の中を鏡で見ながら制作をしました。細かい作業が苦手なので、時計の針や数字を描くのにも苦戦しました。

家族総出で顔を引っ張りつぶして

―制作中のエピソードを教えてください。

最初は想像で自分を変な顔にして描こうと思って進めていたのですが、顧問の先生に資料があった方がいいと言われました。

自分1人で写真を撮るのは困難なので、家族総出で私の顔を引っ張ったり潰したりして撮ったのが良い思い出です。苦労しましたが、参考資料を作ったことで、よりリアルな描写にすることができたと思います。

制作者の宮﨑湖心さん

―よい作品を作るためのコツを教えてください。

面倒だと思わず、参考資料を用意してから制作に取り組むことが大切だと思います。また、いろんな人の意見に耳を傾けることも自分の作品をより良いものにしてくれます。

おすすめの練習方法は、何を描くにしてもその対象物をよく観察することです。よく見た分だけ理解が深まり、描きやすくなります。