私は中学2年生のときに小児がんで半年間入院し、その後、もとの学校に復帰しました。現在は全日制の高校に通っています。この経験を通して私が感じたことを、みなさんに紹介します。(高校生記者・Iori=1年)

辛い入院生活、乗り越えて

テレビで見たことがある方も多いかもしれませんが、小児がんの治療では、非常に強い薬を使ってがん細胞を殺します。なので、副作用で髪の毛やまつげ、眉毛が抜けたり、吐き気がしたりと、入院生活はつらいことの連続です。

入院中一緒にいた、小さなぬいぐるみ

入院中は、体調が悪いことの他に、容姿の変化にも戸惑うことが多くありました。それでも退院後、コロナによる休校を経てから学校に復帰しました。遅れていた勉強も取り戻し、現在は全日制の普通科高校に通っています。

心を守るには他人と比較しないこと

この経験から私が感じたのは、「他人と自分を比較しないことの大切さ」です。

私が入院していた小児内科の病棟には、乳幼児から高校生までたくさんの子どもが入院していて、それぞれ抱えている病気も、もっているバックグラウンドも全く異なります。周りの子たちが元気に遊んでいるときに、私だけ具合が悪い場合もあります。

そんな中で「他人は他人、自分は自分」と思うことで、自分の心が傷つかないようにしていました。「自分を守るための方法」として気づいたことです。

退院してからも体力がなかなか戻らず、同級生の子と同じように行事に出ることも、思うように毎日学校に通うこともできませんでした。自己嫌悪に陥ることもありましたが、周りを気にせず、周りと自分を比べないようにしたことで、それを乗り越えることができました。

周りと自分を比べないことが大切

高校生活の充実には「まず自分を大切にして」

周りの目が気になってしまう人、周囲に流されがちな人は、自分を変えることを難しく感じてしまうと思います。

そんな皆さんに伝えたいのは、「他人ではなく自分を優先してほしい」ということです。他の人を気遣うこと、周りに合わせることも時として必要ですが、自分の気持ちを大切にすることが一番だと思います。

身体も心も元気であることが、高校生活を充実させるうえで一番大切なことです。「自己中心的」と「自分を大切にする」ことは全く違うので、いま、自分の身体のこと、心のことで悩んでいる方がいたら、ぜひ、自分を少し甘やかしてあげてください。それで抱える問題を全て解決することはできませんが、自分の気持ちが軽くなるはずです。